今日はひとつ、日頃皆さんがあまり気にしてなさらないであろう変速機のお話を少し。

自転車の変速機には大きく分けて2種類ありまして、外装変速機と内装変速機。

見れば形が全く違うのですぐにわかります。でも一応画像を

外装変速機の方は、ガチャガチャ俺がやってやるぜ、的な雰囲気ですが内装変速機は私隠れてますから。と正反対。ちなみによく内装変速機の黒のカバー部分が変速機と勘違いされる方がおられますが、これは変速機を動かすレバー部分のカバーです。

この内装変速機。日本の大阪府堺市ある世界的自転車パーツメーカーSHIMANO製がほぼ市場を独占しています(釣り具とかもやってます)。wikiによると他社のもあるらしいですが、私は修行時代から今までお目にかかったことがありませんし、聞いたこともありません。

ぼちぼち本題に。私が修行時代、先輩が「3速の分解はやるだけ時間の無駄」とおっしゃってました、これには続きがあって「分解しても悪いところがわかるだけで治せない(SHIMANOからスモールパーツで取り寄せれば可能だったりするが、現実的には?)、壊れた場所を確認するだけ。分解する際に不注意で壊してしまうパーツもあるし。結局、駆動体を一式交換する方が工賃と結果を考えれば、お客様にとっては良い選択」というものでした。未経験な私はただうなずくだけでしたが、その後、先輩の言葉を身を持って体験することができました。

で、先日、後輪のガタがあるということで持ち込まれた子が、ガタだらけで、まずハブのベアリングを確認して問題なし。あとはその内装変速機だけ。お客様には事前にお話ししておりまして、ハブに問題がなければそれ以上お金のかかる修理はしない。とのことでしたので、あとは興味本位で久しぶりに内装3段変速のバラシをやってみました。

先に書きましたが、バラシで壊れるパーツ、主にラチェットを抑えてるスプリング等を壊さないように慎重に。写真は点数が多くなるので2枚だけ

多分、ご覧になっても何のことやらさっぱりという方がほとんどだと思いますが、結局この個体も、先輩の言われた通り悪い場所がわかっただけで、何もできず、せっかく分解したから洗浄してグリスアップして戻しました。

SHIMANOの内装3段変速は良くできていると思います、メンテナンスフリーだし、変速機という、常に負担のかかるポジションにいながら故障することは稀ですし。街乗り自転車には最適なんじゃないかと思います。

ちなみにSHIMANOは5000kmまたは2年でのグリスアップを推奨してますが、そんなに頻繁にするくらいならその工賃をキープして壊れたら新しい駆動体に変えた方がいいかも、とは思います。故障の原因の多くがグリス切れというのはわかりますし、1つの物を大切に使うのには賛成ですが、15年くらい壊れていない内装3段変速なんてざらにありますし(その方が普通)、15年くらい経った自転車をまだ大切にお乗りになるなら、その時点で、主要パーツをリプレイス。という方がいい選択だと思います。

話が長くなってしまったので前編後編のはずが前編1になってしまいました(汗)