2006年 2月1日



午後、退院しました。



ようやく、終わった。



一時退院ではなく、



完全な退院。



全工程、治療が終了した。




帰宅前にお世話になった院内各所へ挨拶周りをした。


先生や血液内科病棟の看護師さん達・・・、コミュニケーションがきちんと取れたことにより少しは不安も払拭されて、なんとかここまでこれた。




そして命を落としかけた時、全力で治療、看護をして下さった皆さんがいるICUへ。


院内のどこももちろん思い出深い場所ばかりではあっても、ICUだけは特別。


危うかった自分の命を救うために全力で治療をしていただいた場所であり、


命について教えてくれた学校のような場所。




去年の秋頃、


点滴棒をゴロゴロ押しながら、病院の一階まで散歩へ行った時に、勤務を終えたICUの看護師さん2人にバッタリ会った。


2人は、自分の顔を覚えてくれていたらしく、『うぁ~!お元気そうですね!』と声をかけてくれた。


立ち話で近況報告したあと、別れ際に『他のスタッフも喜ぶので、またICUへ元気な顔を出しに来てくださいね!!』と優しい言葉をかけてくれた。


でも普通の病棟とは違い、なかなか気軽に顔を出せる場所ではない。


だからこそ、完全に退院する時には必ずお礼を言いに行きたいと思っていた。


それが今日、実現できて、感無量だった。


敗血症のショック状態で呼吸困難に陥り、無菌室からベッドごとICUへ運ばれ、ピンチを切り抜けて意識は戻ったもの歩けない体でベッドごと元の病棟に戻てきた為、自分の足でICUの入り口に立つのは、今日が初めてだった。


家族がこの入り口をどんな思いで、約20日間も行き来したのだろうか??


考えると胸がしめつけられる思いがした。




インターホンを押し、用件を伝えると、見覚えのある、懐かしい看護師さん達が出てきてくれた。


色んな気持ちがこみあげてきた。


自分の命を救ってくれた事への、お礼の言葉を心の底から伝えることが出来たと思う。




院内の挨拶まわりも済ませて、病院から自宅へ戻って来ただけなのに、クラクラっっと目が回り、息も少し荒くなり、まだまだ自分の体力が少ししかないとに驚いた。




まだまだすぐに本調子とはいかなくとも、ゆっくり回復させたいと思う。




病気の発症から今まで、周りの方々に支えられ、今こうして自分の命がある。




周囲の人達は


『よく頑張ったね!』



と言う。




でも、自分は主治医の指示通りに過ごし、ただじっと今日の復活の日まで耐えるしかなかっただけだ。




『辛かった??』




もしそんな質問を投げかけれれたとすると、




想像をはるかに超えるほど辛かった。




でも、そんな、想像をはるかに超えるほど辛かった出来事を経て、今こうしていられるのは周囲の人達の声援、応援があったからこそだと思う。




自分が頑張ったのではなく、周囲の人達が頑張れる力をくれた。




その力をもらっていなければ、自分は今ここにはいない。




感謝の気持ちを決して忘れる事無く、これからも力強く生きていこうと思います。