リンゴの箱。
例えば考えてみる。
大きくて広い箱の中、リンゴと一緒に
一人きり、閉じ込められたら…。
私は自分が人間であることを忘れ、
自分も周りと同じくリンゴなんじゃないかと
考え出すんじゃないだろうか。
甘いリンゴの香りに包まれ、
自分の姿を確認することも出来ない。
そんな中でも自分が今のカタチの
自分であることをきちんと認識できる自信は…
-正直無い。
リンゴの箱の中、きっと私は
ユックリと…
時間をかけて…
自分の姿を、丸く紅色をした『リンゴ』なんだと
勘違いをしていくに違いない。
大きな箱の暗闇の中で…
静かに…
そっと…。