改めて、映画「犬と猫と人間と」のことを書いてみます。
2004年の4月に、飯田基晴監督が「猫おばあちゃん」と呼ばれている稲葉恵子さんに出会い、「大人も子供、動物を大切に思ってもらえるような映画を作ってほしい」という依頼をされたことから、この映画がはじまったのでした。
飯田監督は、当初はとまどいながら、自分でいいのかと悩みながら、「いのちをめぐる旅へ」出ました。
捨てられた犬たち、猫たちが最後に行き着く先のことは、皆さんご存知ですよね。
飯田監督は、いくつかの施設を取材しています。
どこでも取材させてくれた訳ではなかったと、映画の中で監督は話しています。
つまり、マスコミで取り上げるのは、つらい部分ばかり。
自分たちが悪者になるだけで、本当の現実が伝わりにくいから。
確かに、「かわいそう」「ひどい」そんな声が聞こえて来そうです。
取材に応じてくれた施設は保護した犬・ねこの引き取り手を探して、見つからずに数日を過ぎたら、殺処分にするというところもあれば、絶対に最後まで看取るという方針のところもあり、いろいろです。
子猫や子犬、年老いた犬、猫、新たな飼い主に出会えないまま、処分されて行くのを見るのは、とてもつらいです。
悲しいです。
涙が止まりません。
嗚咽が漏れそうになりました。
でも、それが現実なんです。
目をそらさないで見なくていけないんです。
可愛いからということだけで、安易なブリーディングをして、どんどん子犬、子猫を増やしている業者がいます。
その一方で、飼いきれないからと、最終処分施設に連れてくる飼い主もいます。
もちろん、それぞれの立場の理由があります。
でも、結局は人間の身勝手さが問題なんですね。
飯田監督自身が、この映画を撮ることで、動物たちのいのちというものを実感して行くのを、見せてもらった気がしました。
映画は、決して、つらい、悲しい場面だけではありません。
飯田監督は、ちゃんと明日への希望も用意してくれています。
殺処分をしないと決めた神奈川県動物愛護協会には、個性的な犬や猫たちがいて、スタッフとのやりとりは、ほっとして、笑わせてくれる部分です。
写真は、パンフレットの裏表紙。
映画の中で何度も登場する「しろえもん」。
若く元気いっぱいで、人も大好き。
でも、貰われて行っても、返されて来てしまったのです。
「元気過ぎ」「調子にのる」「甘噛みがきつい」等々、問題がいくつか・・・。
そして、この「しろえもん」の訓練と、スタッフの訓練。
新しい家族を見つけやすいようにと、施設が犬たちに基本的なしつけをして行く。
ここも、少し笑える、ちょっと反省したりの場面。
いろいろな施設で、飯田監督は、処分を担当する人に聞きます。
「動物は、好きですか?」
ある人は獣医さん。
勿論、犬も猫も大好き。
ある人は、子供のころから動物が好きで、動物に関わる仕事をしようと思っていた。
そんな行政サイドの施設の、ある方の言葉が、心に深く残りました。
「動物を嫌いな人が処分したら、ただの物として扱うでしょう。どうせ、処分されるなら、自分のように動物が好きな人間が、やってあげたいと思ってます。本当は1匹でも多く救いたいんですよ」と。
山梨の山中で、捨て犬の面倒を見ている年配の男性と手伝う学生たち。
多摩川で捨て猫、野良猫の世話をする、カメラマンご夫妻。
のら猫の不妊手術をする獣医さん。
どの人々も、ひとつでも多くのいのちを救いたいからこそ、この活動や仕事に携わっていると言います。
それと、無責任な飼い主、繁殖業者の尻拭いをさせられているんだ、とも。
殺処分ゼロを目指して活動をしてらっしゃる現場の人々の方が、もっともっとつらいのだと気づきました。
英国のペットの現状も出て来ますが、欧米に比べると、日本の社会は成熟度が低いとは思います。
だからといって、ここから逃げる訳にはいかないのです。
イギリスは、犬を「改良」と称して、人間の勝手な目的に応じて犬種を多く生み出して来た、長い歴史があります。
例えば、胴の長すぎる犬。
鼻がつぶれすぎた犬。
足が短すぎる犬。
ドイツもまた、犬を「作り込んで」来ました。
それらが、犬種特有の遺伝病を生んだりしているのも、事実です。
これも、人間の身勝手。
ただ、イギリスはその反省からなのでしょう、ごく最近、スタンダード(犬種標準)を変えてきました。
例えば、ブルドッグの鼻をあまり短く、つぶすのはやめる方向へ。
ダックスフントの胴も、長過ぎたので、少し短くする方向へ。
断耳・断尾が良いとされていた、グレードデーンやドーベルマン・ピンシャーなども、耳や尻尾を切っていない子たちが増えて来ましたね。
日本の社会が、大人でないなら、みんなが1歩からはじめて、もっと成熟した、犬も猫も人間も、住みやすい社会にして行きたいと思います。
この映画を観て、現実を改め見つめ直して、さらに前に進んで行きましょう。
殺処分ゼロを目指して。
そのために、私に何が出来るか、考えて行こうと思います。
まずは、縁あってうちにやって来て、一緒に暮らしているボルゾイ犬のプライドとフェリーを、1年でも1日でも長く元気に楽しく生きて行けるようにするのが、第一です。
この映画は、マスコミにもたくさん取り上げられていて、多くのメディアが好意的に扱っています。
その、マスメディアも、一時だけで終わらずに、常に生き物が生きやすい日本を作る方向へ導くつもりで報道して欲しいものです。
話は、うちの近所のことになります。
この辺りは、犬猫天国と思われているのか、捨て猫、捨て犬がとても多いのです。
お散歩友達でも、保護した犬や猫をそのまま飼い続けている方がたくさんいます。
自分の都合で飼って、飼いきれなかったら捨てる人は、育ててくれる優しい人たちに、甘えすぎていますよね。
その悪循環を断ち切るのはどうしたら良いのでしょうね。
捨て猫、捨て犬を見つけると、私たちお散歩仲間は、みんなで必死になって引き取り手を捜します。
この辺りは、比較的環境に恵まれているので、それが出来て来ましたが、そう何匹も飼えるわけではありません。
ペットを飼おうと決めるときには、何年も、何十年も(鳥は長生きですよ)このこと付き合えるか、ちゃんと自問自答して、ゆっくり考えて決めて欲しいものです。
一人一人が、その覚悟を決めてかかれば、殺処分される動物たちも、ずいぶん減るはずなんです。
どうか、いつの日かゼロにして行きましょう。
飯田監督が、ブログに書いていらっしゃいます。
いのちをめぐる旅をして来たと思ったら、新たな旅が始まった気がする、と。
旅は終わらないのでしょうね。
『犬と猫と人間と』
http://www.inunekoningen.com/
渋谷ユーロスペース
Tel : 03-3461-0211
上映時刻
11:10/13:40/16:10/18:40
全国順次公開予定
にほんブログ村
ランキングに参加中。クリックよろしくお願いします。
2004年の4月に、飯田基晴監督が「猫おばあちゃん」と呼ばれている稲葉恵子さんに出会い、「大人も子供、動物を大切に思ってもらえるような映画を作ってほしい」という依頼をされたことから、この映画がはじまったのでした。
飯田監督は、当初はとまどいながら、自分でいいのかと悩みながら、「いのちをめぐる旅へ」出ました。
捨てられた犬たち、猫たちが最後に行き着く先のことは、皆さんご存知ですよね。
飯田監督は、いくつかの施設を取材しています。
どこでも取材させてくれた訳ではなかったと、映画の中で監督は話しています。
つまり、マスコミで取り上げるのは、つらい部分ばかり。
自分たちが悪者になるだけで、本当の現実が伝わりにくいから。
確かに、「かわいそう」「ひどい」そんな声が聞こえて来そうです。
取材に応じてくれた施設は保護した犬・ねこの引き取り手を探して、見つからずに数日を過ぎたら、殺処分にするというところもあれば、絶対に最後まで看取るという方針のところもあり、いろいろです。
子猫や子犬、年老いた犬、猫、新たな飼い主に出会えないまま、処分されて行くのを見るのは、とてもつらいです。
悲しいです。
涙が止まりません。
嗚咽が漏れそうになりました。
でも、それが現実なんです。
目をそらさないで見なくていけないんです。
可愛いからということだけで、安易なブリーディングをして、どんどん子犬、子猫を増やしている業者がいます。
その一方で、飼いきれないからと、最終処分施設に連れてくる飼い主もいます。
もちろん、それぞれの立場の理由があります。
でも、結局は人間の身勝手さが問題なんですね。
飯田監督自身が、この映画を撮ることで、動物たちのいのちというものを実感して行くのを、見せてもらった気がしました。
映画は、決して、つらい、悲しい場面だけではありません。
飯田監督は、ちゃんと明日への希望も用意してくれています。
殺処分をしないと決めた神奈川県動物愛護協会には、個性的な犬や猫たちがいて、スタッフとのやりとりは、ほっとして、笑わせてくれる部分です。
写真は、パンフレットの裏表紙。
映画の中で何度も登場する「しろえもん」。
若く元気いっぱいで、人も大好き。
でも、貰われて行っても、返されて来てしまったのです。
「元気過ぎ」「調子にのる」「甘噛みがきつい」等々、問題がいくつか・・・。
そして、この「しろえもん」の訓練と、スタッフの訓練。
新しい家族を見つけやすいようにと、施設が犬たちに基本的なしつけをして行く。
ここも、少し笑える、ちょっと反省したりの場面。
いろいろな施設で、飯田監督は、処分を担当する人に聞きます。
「動物は、好きですか?」
ある人は獣医さん。
勿論、犬も猫も大好き。
ある人は、子供のころから動物が好きで、動物に関わる仕事をしようと思っていた。
そんな行政サイドの施設の、ある方の言葉が、心に深く残りました。
「動物を嫌いな人が処分したら、ただの物として扱うでしょう。どうせ、処分されるなら、自分のように動物が好きな人間が、やってあげたいと思ってます。本当は1匹でも多く救いたいんですよ」と。
山梨の山中で、捨て犬の面倒を見ている年配の男性と手伝う学生たち。
多摩川で捨て猫、野良猫の世話をする、カメラマンご夫妻。
のら猫の不妊手術をする獣医さん。
どの人々も、ひとつでも多くのいのちを救いたいからこそ、この活動や仕事に携わっていると言います。
それと、無責任な飼い主、繁殖業者の尻拭いをさせられているんだ、とも。
殺処分ゼロを目指して活動をしてらっしゃる現場の人々の方が、もっともっとつらいのだと気づきました。
英国のペットの現状も出て来ますが、欧米に比べると、日本の社会は成熟度が低いとは思います。
だからといって、ここから逃げる訳にはいかないのです。
イギリスは、犬を「改良」と称して、人間の勝手な目的に応じて犬種を多く生み出して来た、長い歴史があります。
例えば、胴の長すぎる犬。
鼻がつぶれすぎた犬。
足が短すぎる犬。
ドイツもまた、犬を「作り込んで」来ました。
それらが、犬種特有の遺伝病を生んだりしているのも、事実です。
これも、人間の身勝手。
ただ、イギリスはその反省からなのでしょう、ごく最近、スタンダード(犬種標準)を変えてきました。
例えば、ブルドッグの鼻をあまり短く、つぶすのはやめる方向へ。
ダックスフントの胴も、長過ぎたので、少し短くする方向へ。
断耳・断尾が良いとされていた、グレードデーンやドーベルマン・ピンシャーなども、耳や尻尾を切っていない子たちが増えて来ましたね。
日本の社会が、大人でないなら、みんなが1歩からはじめて、もっと成熟した、犬も猫も人間も、住みやすい社会にして行きたいと思います。
この映画を観て、現実を改め見つめ直して、さらに前に進んで行きましょう。
殺処分ゼロを目指して。
そのために、私に何が出来るか、考えて行こうと思います。
まずは、縁あってうちにやって来て、一緒に暮らしているボルゾイ犬のプライドとフェリーを、1年でも1日でも長く元気に楽しく生きて行けるようにするのが、第一です。
この映画は、マスコミにもたくさん取り上げられていて、多くのメディアが好意的に扱っています。
その、マスメディアも、一時だけで終わらずに、常に生き物が生きやすい日本を作る方向へ導くつもりで報道して欲しいものです。
話は、うちの近所のことになります。
この辺りは、犬猫天国と思われているのか、捨て猫、捨て犬がとても多いのです。
お散歩友達でも、保護した犬や猫をそのまま飼い続けている方がたくさんいます。
自分の都合で飼って、飼いきれなかったら捨てる人は、育ててくれる優しい人たちに、甘えすぎていますよね。
その悪循環を断ち切るのはどうしたら良いのでしょうね。
捨て猫、捨て犬を見つけると、私たちお散歩仲間は、みんなで必死になって引き取り手を捜します。
この辺りは、比較的環境に恵まれているので、それが出来て来ましたが、そう何匹も飼えるわけではありません。
ペットを飼おうと決めるときには、何年も、何十年も(鳥は長生きですよ)このこと付き合えるか、ちゃんと自問自答して、ゆっくり考えて決めて欲しいものです。
一人一人が、その覚悟を決めてかかれば、殺処分される動物たちも、ずいぶん減るはずなんです。
どうか、いつの日かゼロにして行きましょう。
飯田監督が、ブログに書いていらっしゃいます。
いのちをめぐる旅をして来たと思ったら、新たな旅が始まった気がする、と。
旅は終わらないのでしょうね。
『犬と猫と人間と』
http://www.inunekoningen.com/
渋谷ユーロスペース
Tel : 03-3461-0211
上映時刻
11:10/13:40/16:10/18:40
全国順次公開予定
にほんブログ村
ランキングに参加中。クリックよろしくお願いします。