類似した内容はこれまでも何度か書いているのですが、改めて私がなぜ摂食障害や生きづらさから解放され自分らしく生きられるようになったのかを振り返りたいと思います。

まずは、当然のことかもしれませんが、今の私にたどり着けた一番の理由は「途中で引き返さなかったこと」だと思います。病気の道へ戻ろうと思えば戻れたでしょう。実際に2歩進んで3歩下がる、というように歩みを続けてはいても前に進んでいる実感が乏しい時期もありました。それでも来た道を引き返しそこに留まることはありませんでした。

それができたのは、「治るかどうか」ではなく「私はどうなりたいのか」に視点を置き続けたことだと思います。今もそうですが、私は「できるかどうか」と足元に目を落とすと不安が増強してしまう傾向があります。当時もまさに「自分は治るのかどうか」を考え始めると不安が大きくなって、それが過食嘔吐の症状につながっていくということを何度も経験しました。

 

ですから、あえて足元を見て不安を増強させるのではなく、「なりたい自分のイメージ」を視線の先に置き、そこに向かって歩き続けたのです。

この経験は症状に頼る必要がなくなってからも、私にとって非常に役立っています。
例えば主治医―患者関係から卒業したとき、会社を興したとき、相談室を開設したとき、専属産業医の仕事を受けたとき、このブログを書き始めたとき…数えればきりがありませんが、こういった変化を経験するときには決まって「不安」が湧いて出てきます。「私にできるのかどうか」。けれども、回復の道を進み続けてきた経験があるからこそ、「在りたい自分のイメージ」に向かって進んでこられたような気がします。

こうして振り返ってみると、「不安を感じやすい」という私の特性のおかげで、どうすればそれを軽減しながら前に進めるのかと考えた結果生まれた一つの方法だったのかもしれません。