大体朝ドラの父親像っていうのはそんなもんの気もしますが

「父よ、強くあれ!」って言いたくなります。

時には「正しくあれ!」だったりもしますが。

 

「母よ、強くあれ!」ってのはまあまあ

実現している(と言ってもドラマの中だが)

気がするので尚更そう思います。

 

『虎に翼』のフィクションは正直やになりそうですが

父親役の振る舞いがまた抵抗感を増します。と言っても

これも演技の問題ではなくて筋立ての問題です。

 

あの事件発覚前の振る舞いなら絶対何か悪事に

加担しているでしょう。取り調べがいくら

きつかったからって嘘の自白なんかしないでしょう。

簡単に嘘の自白なんかする程度だったら

自分の無実の証明になりそうなことが明らかになったら

簡単に証言なんて覆すでしょう(証言は結局

覆すんでしょうが)。グズグズうじうじしている

理由がわからない。そんな気弱なことじゃ親なんか

務まらないぞ、しっかりせい、直言!

 

しかし名前負けだよなあ、直言って。

全然言ってることが素直じゃないというか真実じゃない。

 

Wiki見ると『虎に翼』主人公のモデルと言われている

(あんまり改定・改竄?が多いとホントにモデルか

どうかわからなくなるが)三淵嘉子の父は

武藤貞雄(1886-1947) ‐ 実業家。この人の

養父が直言って名前だったらしいんで

脚本家がいい名前見つけたと思ってそこから

取ったんだろうけど昔丸亀の市会議員だった

武藤直言さんにとってみればいい迷惑だったでしょう。

 

全くいわれもなく「帝人事件」(作中では「共亜事件」)の

犯人扱いされてしかもその原因が自分の弱さみたいに

ドラマで見せられりゃいい気分はしないでしょう。

気分というよりもう名誉棄損の問題じゃないかなあ?

ご本人が存命であればこういう筋書きにはしないんじゃ

ないか?とか別に僕が気にすることでもないですが。

 

父・武藤貞雄さんにしても実際は嘉子の良き理解者であり、

女性が職業を持ち自立する事を考えており、嘉子に

「医者や弁護士などを目指すのはどうか」と提案した

(Wikiによれば)ということなので寧ろ優秀だった

武藤嘉子さんは父の言葉のまま(援助を受けて)

女性初の判事になったということでいいんじゃないか

と思います。社長になったから偉いというわけでもないですが

武藤貞雄さんに関しては銀行家としても実業家としても

一端の者だったようなんですがねえ。あんな描かれ方じゃ

草葉の陰で憤慨してるんじゃないか?と推察します。

 

裁判を描くドラマにしては裁判を軽く扱うのも気になります。

偽証罪なんてあっちゃいけんものなのに主人公の父親に

簡単に偽証させる、しかもなんら事実に基づいてないのに。

そこで娘が正義の味方として現れても納得はいかんなあ、僕は。

 

このへんの主人公(にとってだけ)の都合のいいように

都合のいいように作っていくドラマは嫌いです。

嫌いだけど見てしまう、それは朝ドラだから。

 

NHKにはそこんとこよく考えてもらいたいものだと思います。

僕はNHKの受信料もちゃんと払ってますからねえ。

民放とは違う一本筋の通ったものが欲しいと思うのは

当然でしょ。世間の風に踊らされていいわけじゃない。

 

今更という気もするけど女性活躍なんて意識しなくていいから

男性だろうが女性だろうが「善人活躍」のドラマに

してくれればいいです。それが「NHKなんで」ってことで

いいんじゃないの?