冷静を保つ
フランス語では
Gardez votre sang-froid
英語では
Keep your cool
冷静でいること。
それはとても大切だと思う。
元・プロ野球選手の鳥谷敬さんの教えがある。
阪神を退団する時の経緯は色々とあるけれど、球団上層部のやり方は長い間チームを支えてきた選手に対するものではなかった。
トリさんがその話をすると多くの人が「もっと怒ったほうがいいのでは?」と言ったという。
しかしトリさんにとって、怒ったところで結果が変わらないのであれば怒るだけ時間の無駄だという。
人間の怒りとはセーブしようとしてもこみあげて爆発するものだがトリさんのこの話を聞いて、私もそんな風に感情をコントロールできる人間になりたいと思った。確かに、怒ることでやる気を起こし、結果を残すこともある。
まあ、こればかりは人にもよるのだが。
しかし本当は腹の立つようなことを誰だって言われたくはない。そして腹の立つことを言われたくない、ということは人が腹を立てることを言わない、やらない、という意味でもある。
トリさんは試合中にヒットを打ってもファインプレーを演じても、ガッツポーズをしないように気を付けていたそうだ。それも、試合中にガッツポーズを見せたが故に相手の選手の闘志に火をつけることにもなりかねないという理由で。
人間は本来、メンタルが弱い。しかし「メンタルが強い」と言われる人は、自分がどういう状況でミスをしやすいかを知っているものだとトリさんは言う。つまりミスをしないように練習や学びの努力は惜しまないという意味であろう。
そして周りの声には振り回されないこと。本当のファン(友人)は失敗しても応援してくれるし、言いたいだけの人は成功しても悪口を叩くものだ。
それを知っていれば、自分自身に躊躇なく向き合うことができるのであろう。
冷静を保つ、ということは己を知る、ということに実はつながっていることに気付かされるのである。
トリさんの教えは私の心を強く支えてくれているのだ。
トリさんのMAD