皮剥きBさん
フランス語では
Mme B épluchant des légumes
英語では
Mrs. B peeling vegetables
皮剥きBさん。意味分かんないっすね。
皮…つまりこれは野菜の皮。
野菜の皮を剥くのは普通のこと。
Bさんって誰?
これはおばあさんのこと。
私は悪いおばあさんのことを心の底で「Bさん」と呼ぶことがある。
もちろん悪いおじいさんのことは「Gさん」と呼んでいる。
軽い怒りを込めながら。
これは悪い「Bさん」のおはなしである。
今日、いつもの気軽なスーパーに行った。
春野菜が旬の季節だ。うっかりしている間に菜の花の旬は終わってしまった。まあ、さんざん食べたのだが。
今日のお目当ては春キャベツ。こちらも意外と旬は短い。気づけばもうどこを探しても見当たらなくなるので売っている間に食べに食べまくることにしている。
…春キャベツで今日は何を作ろうかな…とうきうきした気分で野菜売り場に行くと、ありました春キャベツ💖
…おや。
なんだかいつもとキャベツの様子が違う。
春キャベツは傷みやすいので、固めの外葉をつけたまま店頭に並べられているものだが、売り場の春キャベツのほとんどの外葉が剥かれているではないか。
…ふと見るとそこには
春キャベツの外葉を片っ端から剥くBさんの姿が!
がびーん
表現が古臭くて申し訳ない。しかし他に形容する言葉が見つからない。
すぐそばで↑こんな顔して見つめている私がいるのに気づかぬBさん。外葉を剥いた春キャベツを手の上で計る仕草を見せている。
どうやら外葉を剥いて、食べられる実寸の思い春キャベツを探しているようである。
腹が立つのでそのまま↑この顔を保ちつつステイする私。
するとBさんよりも↑この顔の私を見て不審に思い立ち止まる人がちらほら。
そして同じようにBさんの皮剥きをあっけにとられて眺めることに。
総じて↑この顔の人が4人にたまってきた時、初めて見られていることに気づくBさん。
あろうことか外葉を剥くだけ剥いた春キャベツをカゴにすら入れず売り場から離れて行きやがった。
後に残された外葉を剥かれた多数の春キャベツ。なんだか服をむしり取られた赤子のようで可哀そうに思えた…のだが私が選んだのは外葉がしっかり残った春キャベツ。
だってあのBさんが触ったと思ったら買う気しなくなるじゃねえか…とひとりやさぐれる私なのだった。
因みに
年齢が若くても、行列に割り込んだり子供を乗せた自転車で逆走してくる女性のことは心の底で「くそババー」、路上で禁止されている煙草を吸ってのポイ捨てする男性を「くそジジー」と呼んでいる。
自分自身が「くそババー」もしくは「Bさん」にならないよう、心がけて生きていきたいと切に思う。
追記だが、普通のおばあさんおじいさんのことは「おばあさん」「おじいさん」と呼んでいるのでご心配なく。
「沈丁花」🍀Dish