ネーミングセンス

 

フランス語では

Sens de la dénomination

サェンズデラデノミナション、みたいな発音

 

英語では

Naming Sense

 

 

 

突然ですが

 

「分葱のぬた」という料理がある。

私は子供の頃から好きなのであるが、ジャンルからいくと「ご飯のおかず」というよりは「酒のつまみ・日本酒のアテ」という感じである。

 

…おや?

あまり疑問に感じたことはなかったのだが、文字にすると「ぬた」と「アテ」が妙に気になる。

 

 「ぬた」。

これって違和感しかないネーミングである。

…美味しいとはとても思えない、そもそも食べ物には不向きな名ではないか。

子供の頃から何となく「ヌルッとした田んぼ」しか連想出来なかったのを覚えている。「ぬた」の名前が嫌さに「酢味噌あえ」と呼んでいたものだ。

ぬたそのものは大好物なのに。

 

Wikipediaで調べると、「ぬた」の名前の由来は「味噌のどろりとした見た目が泥田を連想させたから」とある…やっぱりそうか。

ぬたが「ぬた」以外の名前であればもしかしたらもっと食卓の中央に据えられる主役になったかもしれないのだが…「ぬた」かあ…(個人の見解です。)

 

 

 アテは、「酒に当てがうもの」という意味である。ちなみに「アテ」が通じるのは関西圏のみらしい。そういえば大阪で昔、女性は自分のことを「アテ」「ワテ」「ウチ」と言っていた。
「アテ」という名は如何にも日本酒にぴったりである。ウイスキーやワインだと「おつまみ」である。「アテ」とは言わないであろう。「肴」も日本酒寄りのネーミングのような気がする。(個人の見解です。)

 

 

因みに居酒屋などに行くと最初に出される小鉢は大阪では「突き出し」という。

最近は「お通し」と品よくなってきたが、「突き出し」という名前は少々荒っぽい。いかにも大阪らしくて好きである。突き出しの役目は注文した料理が出せるまでの酒の肴。これが美味しいと不味いとでは後の料理に対する期待値が大きく変化する。突き出しが美味しい店には大概常連になる私である。

 

そういえば最近はようやく「キラキラネーム」が少なくなってきたように思える。

キラキラネームには度肝を抜かれたものだ。「今鹿(なうしか)」「空理鈴(くりりん)」「黄熊(ぷう)」「土恵大(じぇだい)」なんてものもある。

読めんではないか。

「泡姫(ありえる)」…一瞬ヤバい何かを感じてしまう私は動機不純なのだろうか。

キラキラネームではないが、昔 我が子に「悪魔」という名を付けた親がいてものすごく物議をかもしたものだ。

 

人の名前は親が子供に初めてあげる大切な贈り物である。自分の好みや一時の盛り上がりで名付けると子供が一生苦労するのだ。読めないし、子供の頃はいいけれども50歳になって「厳惰夢(がんだむ)」って呼ばれるのは考えるだけでちょっと怖い(個人の見解です。)

 

 

「いのちの名前」🍀幾田りらさん