le vent du sud
(南の風)
ルヴォンドゥスゥド、みたいな発音。
英語だと south wind となる。
普段から食べたくても気軽に食べられないご当地食品。ソーキそばはその代表格のような気がする。そばは何とかなっても、あのソーキの味は家ではなかなか出せないのだ。
しかし最近は…
どーん
と、ボリューム満点のソーキそばがお取り寄せで食べられるのだ。
ソーキそばにボリュームを求めるかどうかは別として、本場の味は何よりも嬉しいものである。鰹出汁の風味、というよりは鰹の濃い味がガツンと口いっぱいに広がり、思わず沖縄にまた行きたくなる。南の風に豪快に揺すられる木々を眺めながら食べたソーキそば。肉厚のデイゴの花が艶かしく、海は永遠にキラキラと波を遊ばせていた。
香りの記憶は五感の中でも敏感なのだと思う。
向かいに座ってソーキそばを無心に啜る主人を眺めながら、いつか彼と沖縄でソーキそばを食べてみたいと思った。