se battre pour les fraises
(いちご闘争)
英語だと
fight for strawberries、となる。
いちご闘争→いちごのための闘い
それは…
夕方のスーパーマーケット。
所々に「見切り品」が積み上げられるコーナーには必ず人だかりができる。
そしてそこには決して変えることならぬ「掟」がある。
それは
「早い者勝ち」
というルールである。
とある青果売り場の夕方の「見切り品」コーナーにて。時期的に果物だとリンゴやみかんの他に、苺もちらほら置いてある。
我が家には、今日食べなくては傷むであろう苺がある。なんならリンゴもある。なのでスルーしたのだが、あるマダムがひとりで見切り品の苺を5パック抱えていた。それは見切り品コーナーの全ての苺であった。
…見切り品といえども。
今年は苺がけっこう高値なのである。
見切り品と言えども、苺だけで2000円はかかるであろう。
そこにやって来る親子連れ。
むむむ
予感は的中するものだ。
「お母さん、苺が食べたい!」
「見切りの所にあるから」
と言いながらやって来る親子連れ。
しかし見切り品コーナーにはもう、苺は残っていないのだ。
苺を探す子供の目がマダムの手の苺5パックに止まる。そして「お母さん苺もうない~!」と拗ねるのだ。
某かの空気を察知したマダムは、苺5パックを抱えたまま足早にその場を離れて行った。
母親はその姿を見送りながら「ひとりであんなにたくさん持っていくなんてズルいなあ!」と割りと大声で言っていたが、仕方ないのだ。
なぜなら、見送り品コーナーは早い者勝ちなのだから。
この場合
苺5パック欲しかったマダムが子供に1パック譲るのも、母親が子供のお腹を心配して見切り品は買わないというのもどこか違うのだろう。
見切り品とは、運と縁で出来ているのだ。きっと。