母より電話。
お正月のお節料理のお礼に美味しい練り物を取り寄せてくれたとのことで、実家の最寄駅まで母に会いに行く。
 
先日転んでから不調という母。気遣っても「平気、平気。」と笑うのだがやはり心配になる。
 
杖の代わりのキャリーバッグさえも不調で扱いづらそうで。
心配が増殖してくる。
 
 
母から渡された練り物セットは、こんな。
美味しそうな鯛竹輪や上等な練り物がてんこ盛りである。
動かしにくいキャリーバッグでこんなに重いものを持って来てくれるとは。
 
このセットは母の故郷、福山市の阿藻珍味さんの人気商品で出来立てを取り寄せてくれたものだ。どれも絶品である。
…そういえば私は練り物が苦手なのだが、幼い頃からこんな美味しい高級品を食べさせてもらってきたのだから、大人になってから普通の練り物が苦手なのは当然なのかもしれない。長年の疑問が腹落ちした。
 
 
親子でこまごまと贈り物をし合うことを良しとしない人もいるようだが、親だけではなく相手の状況に気付いてものを探して送ることは、私は好きだ。
 
送るのは物の形をした愛なのだ。
 
母には軽くて使いやすそうなキャリーバッグを送ろうと思う。
駒が工夫されていて、階段の登り下りでも安定感があるのだ。
 
そして軽い。

 

 

 阿藻珍味さんの商品も取り寄せてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見送ると小さくなってゆく母の後ろ姿は高齢者とは思えないほど可愛らしい…親バカならぬ子バカである。

 

商店街では、駅前にて地元の中学生が能登半島地震のための募金を始めたとアナウンスが流れる。すると明らかに急な方向転換をした人々が駅へと向かってゆく。

駅前の募金箱を抱えた子供たちの元へと、急ぐ。財布を取り出しながら。

 

情の薄い時代になってきたといわれる令和。しかし怯むことなく視線を合わせてゆくとそこには、ちゃんと愛が充満しているのだ。

 

 

 

「道標」🍀福山雅治さん