令和6年能登半島地震が起きてからもう10日以上が過ぎている。

災害の多い日本でいつも気になるのが、支援物資についての問題である。
先日もネットニュースに上がっていた、避難所に届く物資についてであるが、賞味期限切れの食品や古着が大量に送られて来ているという。


中にはわざわざ長野県からトラック一杯分、飲み物は全て賞味期限切れのものが送られてきたのだという。

ガソリン代と長時間を費やして。

処分し忘れていたものを「困ってるなら」「役に立つだろう」「捨てるのも何だし」というある意味、善意なのだろう。しかし避難所は水の供給がままならず、冷蔵庫もないため衛生的に不安定なのだ。それゆえ一歩間違えれば体調不良になりかねない人が肩を寄せ会い堪え忍んでいる…そこに賞味期限切れの食品を送っても使うことは出来ない。残念ながら被災地にゴミを増やすことになってしまうのだ。

東日本大震災の時に多くの人が物資として古着を送って、被災地では処理に困ったという。
阪神大震災の時には個別の物資が溢れかえり、西宮市では使用できなかった支援物資を処分するのに2800万円を要したのだ。

送った人は善意だとしても、どこの誰が着ていたか分からない、しかも洗濯していない服や肌着、靴を身に付けられる人がいるだろうか。
中には「ただでもらえるだけありがたいと思え」「被災したら新品がもらえると思うな」「贅沢だ」などという意見もあるが、我が身に置き換えればどうなのかと訊いてみたい。

必要なのは送り主の気持ちではなく、非常時にある人に寄り添って考えることなのだ。


「 #被災地いらなかった物リスト」というキーワードが発生している。
これは東日本大震災を経験した人々の経験からの呼び掛けである。

その内容は「千羽鶴」「寄せ書き」「古着」「生鮮食品」「調理が必要な米」「賞味期限が近い・分からない」「辛いラーメン」「明らかな古着」「季節外れの新品の服」「周波数の違う家電」となっている。
また、「毛布」「布団」「古くて使えない家電」「使用済みの文房具・おもちゃ」「医薬品」「サプリメント」「本」「雑誌」も必要ではないリストに名を連ねている。

さらに「使用済みのレジ袋の山」「提案書」「成分表が読めない海外の食品」「使いかけの生地や毛糸」「皮の厚い柑橘類」「いつ溶けたか分からない冷凍食品」「飯ごう」「自作の詩」も送ってはいけない。



…自作の詩って。



千羽鶴や寄せ書きがいらないという言葉に対しては「応援しているのに!」「冷たい!」「思いやりに応える心がない!」などと怒りの声もあるだろう。確かに、中にはそれを心の支えに頑張る被災者もいるかもしれない。


ただ、避難所というのはそれどころではない場所なのだ。


支援をするのなら、被災地では「今」「何を必要としているのか」をしっかりと捉えておくことが必要である。

自分の想像よりも避難所で必要なものは目まぐるしく変わっていく。困っている人をしっかりと支えられるよう、常にアンテナを張っておくべきであろう。


何より勝手な行動は慎みたいと思う。




「案山子」🍀さだまさしさん