人差し指の長い人は前立腺がんになりにくい | かずのつぶやき

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人差し指の長い人は前立腺がんになりにくい

 人差し指が薬指より長い男性は前立腺がんになるリスクが低いそうです。

 イギリス・ワーウィック大学のKen Muir教授と王立マースデン英国保健サービス(NHS)基金トラストのRos Eeles教授たちは人差し指が薬指よりも長い男性では前立腺がん発症のリスクが、薬指が長い男性の3分の1低いとする研究結果をBritish Journal of Cancerオンライン版に発表しました。

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 人差し指と薬指の長さの比は、おかあさんのお腹のなかにいる胎児の時期に、子宮の中で受ける性ホルモンの影響によるものだそうです。

 今回の研究では1994年~2009年の15年間に、王立マースデンNHS基金トラスト、ノッティンガム市立病院、王立ハラムシャー病院において、前立腺がん患者1,500例超と、健康な人3,000人超に指の長さの組み合わせが異なる複数の絵を見せて、自分の右手の指に最も近いものを選んでもらい、結果を分析しました。

 最も一般的な指の長さのパターンは、人差し指が薬指より短いもので、対象になった男性の半数超で認められました。
 人差し指と薬指の長さが同じ人は約19%で、これらのグループの前立腺がんリスクは同じでしたが、人差し指が薬指より長いグループは、前立腺がんのリスクが33%低く、60歳未満で人差し指が長い男性では前立腺がんリスク低下率は87%とさらに明らかでした。

 共同研究責任者で英国がん研究所にも所属するEeles教授は「今回の研究結果は特に60歳未満の男性においては指の長さのパターンと家族歴や遺伝子検査といった他の因子を組み合わせることなどにより、前立腺がん発症リスクが高い男性をふるい分けられる可能性がある。と話しています。

 胎児期に男性ホルモンであるテストステロンの影響が少ないと人差し指が長くなることから、Muir教授は「出生前のテストステロンの影響が少ないことが、後の人生における前立腺がん発症リスクを低くするのではないか」と指摘しています。

 指の長さと性器の発育にはホメオティック遺伝子であるHoxAとHoxDという遺伝子が関係しています。

 人差し指と薬指の長さの比率(2D:4D ratio)は、子宮内で決まり、男性は女性よりも低いそうです。さらに、この比率は精子数の少なさや、エストロゲン量の多さ、テストステロン量の少なさに関係していて、乳がんについても2D:4D ratioが高い女性は低い女性よりも乳がんのリスクが高いという報告があり,子宮内のエストロゲン量と相関しているそうです。

 前立腺がんは比較的高齢者に多いがんです。ジイサンになっても赤ちゃんのときの環境に左右されるのですね。

 みなさんもあらためてお腹の赤ちゃんのことを考えてみてください。



      ちなみに私は薬指の方が長いです。。。。