乳児死亡率の男女差縮小 | かずのつぶやき

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 乳児死亡率の男女差縮小

 南カリフォルニア大学デービス校老年学部のGreg L. Drevenstedt博士らは、先進15カ国の乳児死亡率を分析した結果男児は女児に比べて死亡率が高いがその差は縮小傾向にあるProceedings of the National Academy of Science, USA(2008;105:5016~5021)に発表しました。

 男児の生存率が向上

 博士らは日本も含めた先進15カ国の数百年に及ぶ乳児死亡率を分析しました。すると1970年頃の乳児死亡率の男女差は30%もありましたが、帝王切開の普及やNICU(新生児集中治療室)の増加などにより、男児の生存率が向上した為、」生存率の性差はここ数十年間に縮まりました。

 20世紀には乳児死亡は減少し続け、原因は下痢などの感染症から先天性疾患、出産時の合併症、早産へと移行しました。

 男児は女児に比べて新生児呼吸窮迫症候群などの疾患にかかるリスクが60%も高く、女児に比べて身体や頭も大きいため、分娩時外傷と死亡リスクが高いそうです。

 さらに男児は女児に比べて体重が軽い重いにかかわらず脆弱な傾向にありNICUの普及は低体重や早産で生まれた男児の生存率が向上しました。

 一方で1970年以降帝王切開の率が平均5%から20%以上に増加したということで、帝王切開で生まれた赤ちゃんは男の子の方が女の子に比べて20%以上多かったそうです。男の子のほうがおなかのなかで弱ってしまう確率がそれだけ高いということです。

     みなさん!かよわい男を大事にしてくださいませ!!