かずのつぶやき

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産婦人科周辺トピックスのスクラップブックです

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 こんにちは。

 最近ブログの掲載が滞っています。読者の患者さんからもこの前言われました、、

 このブログは毎週当直をしている愛育病院で書いているのですが、ご存知の通り愛育病院は田町に移転となり、わたしも2月からいっているのですが、なんと、あたらしい愛育の当直室ではインターネットが使えないのです、、、、

 今交渉しているのですがなんとも。。。

                      申し訳ございません。。。。
ママの妊娠中「未来のパパ」に備えてホルモンも変化

 妊娠中の女性ではホルモンが変化することはよく知られていますが、妊娠が進むにつれて妊娠中の女性のパートナーである男性のホルモンも変化していることが、ミシガン大学・心理学のRobin Edelstein博士たちの研究で分りました。 Am J Hum Bio 2014 Dec 15 オンライン版

 博士たちは、第一子が生まれる予定のカップル29組のホルモンの変化を追跡調査しました。

 それぞれ妊娠12、20、28、36週に唾液中のテストステロン(男性ホルモン)、コルチゾール、エストラジオール、プロゲステロンの濃度を調べました。

その結果、女性では4種類のホルモンすべての濃度が上昇していました。(出産後はテストステロン濃度は低下しました。)

一方、男性ではテストステロンとエストラジオールの濃度はかなり低下しましたが、コルチゾールとプロゲステロンの濃度は変化しませんでした。

博士は「男性でもホルモンの変化が生じており、それはその他の研究で示されているより早く起きることがわかった。男性のテストステロンは徐々に低下する」と話しています。

男性でもホルモンが変化する理由やそれによる影響はわかっていませんが、ホルモンの中でテストステロンは攻撃性や性欲を強める役割りのあるホルモンです。


 妊娠が進むと性欲が低下していき、また生まれてくる赤ちゃんのために攻撃性が弱くなり、優しい父親になる準備をしているのかも知れませんね。

なお、博士によると検出された変化はとても小さく、低テストステロン状態というほどではないそうです。変化の理由についてはさらに研究を重ねて行くとコメントしています。

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米国生殖医学会「変ネタ」3発

 先日、ハワイで開催された米国生殖医学会(ASRM2014)で発表された研究でちょっと面白いものをご紹介します。

【第三弾】

 パパを目指すならコーヒーよりビール??

 それでは3発目、ちょっととんでもネタ。

 パパになりたい男性はコーヒーよりビールを飲むとよいという研究結果が発表されました。赤ちゃんが欲しいとふたりで考え、ビールを控えてコーヒータイムを充実させてきたカップルには寝耳に水の研究結果です。さてさて‥‥。

 この研究は米・マサチューセッツ総合病院産科のAnatte Karmon博士が率いる研究チームは、不妊に悩み2007年から2013年にかけて体外受精を試みた100名以上の女性について、パートナーの男性の食生活の傾向を詳しく調査しました。
O-19 Karmon et al, “Male Caffeine and Alcohol Intake in Relation to In Vitro Fertilization Outcome Among Fertility Patients"

 まず、男性の年齢とBMI値が上がるごとに、女性の妊娠率が下がりました。

 しかし、その中で、男性がコーヒーを多く飲むとパートナーの女性の妊娠率が下がり、ビールを多く飲むようになると妊娠率が上がったという今までの見解を覆す結果が示されました。

 2007~2013年の間に延べ214回の体外受精を行った女性のパートナー、平均年齢37歳の男性105人について調査しました。

 1日にコーヒーを2杯以上飲む男性のパートナー女性の妊娠率は19%、約5人に1人でしたが、全く飲まない、もしくは1杯飲む男性のパートナーの妊娠率は52%でした。

 1杯のエスプレッソにはおよそ100mgのカフェインが含まれていて、265mg以上摂取すると妊娠率は低下することが分りました。

 アルコールに関しては、アルコール22g、ビール700㏄、缶ビール小さいの2本のむ男性の方が、飲まない男性よりパートナー女性が妊娠する割合が2倍(28%と57%)高かったそうです。

 ただしアルコールに関しては体質に個人差があり、その日の体調、心臓の健康状態などにも左右されるものであるため、子作りのために無理してビールを 飲むようなことは避けるべきと話しています。

 まずは運動やバランスの取れた食生活を摂り、ストレスを遠ざけるよう心がけ、コーヒーの飲み過ぎに注意することから始めると良いようです。

 しかし、不妊症、妊娠率とアルコールの摂取に関してはいままでいくつかの研究結果が発表されていますが、概してアルコールは妊娠に対してマイナスに働くという報告が多いようです。

 ハーバード大学医学部の研究チームのBrooke Ross博士たちのアトランタで開催された American Society of Reproductive Medicine annual meeting での報告では、
 アルコールと不妊症の関しては女性、男性、ともに、週に6単位以上(約ビール大瓶2本)のアルコールを飲む夫婦は、体外受精で妊娠、出産に至る確率が25%低下することを示しました。
博士の2011年の同様の論文

 また英医学誌「BMJ Open」に掲載された、南デンマーク大学の研究チームがおこなった調査などがあります。

 この調査は18~28歳の男性1221人を対象に、日頃の飲酒習慣と血液サンプル、精子サンプルを分析したところ、1週間に7.5ユニットのアルコール(ビール中ジョッキ約3杯分)以上摂取している人は、精子の数が少なく、しかも形やサイズがおかしい奇形が多いことが判明したそうです。

 

精子のクオリティは、アルコール摂取量が多ければ多いほど悪くなる傾向があり、特に週に37.5ユニット(中ジョッキ約15杯分)以上飲んでいる人はその影響が顕著だったそうです。

 アルコールの影響に関しては、直接アルコールが及ぼす影響に、アルコールを多飲する環境が及ぼす影響が加わるので単純に比較はできないと思いますが、適度のアルコールで楽しく暮らしていれば妊娠率もあがりそうですけどね。

 なんにしろ飲み過ぎはよくないでしょう。

 わかっているんですけどねぇ。

 私も呑んべいなんで、外来で患者さんに「アルコールはよくないですよね」と質問されることもあるのですが、「酒飲みが妊娠しにくかったら、酒飲みの遺伝子がだんだん少なくなって、酒飲みが絶滅するはずだけど、そんなことないでしょ」なんていっていましたが‥‥。

 反省します。

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