リクルート社から教育(学校長)まで幅広く活躍する藤原和博さんは、

日本が成長社会から成熟社会に変わったのが1997年であると言いま

す。そして、この時を境にして、「営業マンが勧めたから保険に入る」

時代から、「自分のリスク等を比較して保険に入る」時代に変わったと

判断しています。業者から勧められるがままの時代から、自分自身の

責任で判断するターニングポイントです。(キヨサキ氏と同じ見解)


 キヨサキ氏は金持ち父さんから、「世界で最も金持ちの人たちはネッ

トワークを作る。その他の人たちは仕事を探す」と教えられます。実際

億万長者のウォーレン・バフェットやリチャ-ド・ブランソンの会社

も、本質的にはネットワーク・ビジネスであり、あのエジソンが電球を

発明(実際は改良)したのも、ネットワーク(ビジネスにする方法)を

生かしたからであると見直します。

 ネットワーク・マーケティングが物を売るビジネスと考えるのは大き

な誤解で、システムを築くこと仲間を作ることである。収入を稼ぐこと

ではなく、資産を築くことにあると。




 
 そこで大事になるのがしつこく売り込むことではなく、情報と個人的

な話を相手と分かち合うこと。つまり、セールスの秘訣が営業力「あな

たは何ができるか」にあるとすると、ネットワークマーケティングでは

「何を複製できるか」(メトカーフの法則)になります。レバレッジ

をきかせるシステムが大事になるのです。



 キヨサキ氏の奥様、キム・キヨサキさんは、アメリカでパソコン・ネ

ットワークに参加する女性が男性の4倍にもなるのは、在宅ビジネスで

あるということだけではありません。女性が得意とする人間関係や相互

関係が、このパソコン・ネットワークの中心にあるからであると鋭く見

ています。

 つまり、売上げをあげることよりも、コネクションを作ること、人を

タイミング良く導くこと、がPCビジネスの核となります。さらに50才

以上の女性の47%が独身で、退職給付金が男性の四分の一程度である

こと。また女性の平均寿命が、男性よりも7年から10年長い。さらに

は、10人の女性のうち3人は、いつか貧困生活を送ることになると、

深刻なデーターもあります。今から、このネットワークに「仲間入り」

しておく手はないのではないでしょうか。

 「実は、ネットワーク・マーケティングは、欲張りな人間にはあま
  り適していないビジネスだ。実際のところ、ネットワークビジネ
  スで 金持ちになる唯一の方法は、そのプロセスで、他人が金持
  ちになるのを助けることだけだ」   211頁

21世紀のビジネスである、ネットワーク・マーケティングを速やかに、

そして正しく私たちの生活の中心に位置づけたいものです。




さて私が高校生の時、書店で衝撃的なタイトルの本に目を引かれ

ました。 トフラーの『未来の衝撃』。もし、将来がそんなに変わる

のであればどんな準備をすればいいのか? しかし、その後の高校や

大学では、回答になるような授業はほとんどなく、不安が残るただ中

で、世界は激変していきました。


同じような衝撃が、キヨサキ氏の本に出てきます。2008年のリーマ

ン・ブラザーズの破綻を、事前にTV番組で予告したキヨサキ氏は、

今度は「2020年までに、アメリカ帝国は終焉にむかう!」と予想

しています。

東京オリンピックまでに世界のパワー・バランスが変わる?



 その理由は、学校教育で正しいファイナンシャル教育がされていな

いから、と言い切ります。

世界最高の教育を受けた金融界のリーダーのもとで、なぜ金融恐慌

(2008年サブプライム)が起こったのか? なぜ金持ちがどんどん

金持ちになり、貧乏な人がますます貧乏になり、中流階級が姿を消し

つつあるのか? なぜ税金が上がるのに、政府が破綻していくのか? 

なぜ多くのベビーブーマー(エリート証券マンに従った)が、引退後

の生活で資金不足に陥っていくのか? なぜ多くの若者が、借金

(学費ローン)を返済できるような仕事を見つけられないでいる

のでしょうか? 


「次の債務危機は、学費ローンの返済不履行が
 引き起こすことになるだろう」



 さてキヨサキ氏の父親は、ご存じのようにハワイ州教育長で、博士号

を持ち大学でも講義をした高学歴でした。教育長を辞して、ハワイ州副

知事に立候補しますが、権力闘争に破れて職を失うことになります。

貯金でフランチャイズ権を買って民間事業を始めるものの、ファイナン

シャル教育を受けていなかったせいか、失敗して全財産を父親が失って

行くのを目の当たりでキヨサキ氏は見てきました。

ちょうどベトナム戦争から帰還したキヨサキ氏に、「大学に戻って博士

号をとり、安定した公務員の仕事につくよう」アドバイスをしていた頃

で、なんとも皮肉な現象です。エリートの父親を、貧乏父さんと名付け

た理由がここにあります。


 実は9才の時からキヨサキ氏は、金持父さんから『モノポリー』ゲーム

ボードをつかって、お金の教育をうけてきました。高校生の時には、父親

に「マイホームは負債である」(のちのサブプライムの破綻の時に現実と

なる)ことをストレートに進言したことでした。

  
  『わが民は、正しい知識の不足のために滅ぼされる』


金持ち父さんシリーズは激動の時代にあって、「正しい知識」を私たちに

提供していることを見逃してはなりません。