紅白は残念でしたが、これでよかったという思いもあります。全国のお茶の間に、これがSKEと自信を持ってお披露目できるかというと、こんなもんじゃないという思いの方が先に来てしまいます。統一感のない選抜メンバー達の絵面を見るとため息が出てしまうんですね。今はグループ再構築のとき、二年後を楽しみに待つことにします。皮肉にもそんな傷心のさなかに開催を迎えた冬コン2015。メンバーとファンのご対面は、さぞかし喧嘩した後の恋人同士のように、ほろ苦く気恥ずかしい再会になったのではないでしょうか。しかし、セットリストを知って一安心。笑顔と感謝の気持ちを交換しながら、終演後にはSKEの輝かしい未来へと共に歩もうと目標を再確認し合えたのではないでしょうか。真那ちゃんの言う通り、今こそメンバー、スタッフ、ファンが一枚岩となり、地元名古屋から地に足をつけた地道な活動が求められます。

冬コンチケットも外れ寒さから出不精になりがちなこの時期。ストレス解消はもっぱら布団にくるまってのスポーツ観戦。特に秋競馬は二週連続で国際GⅠ競走が開催され佳境を迎えます。来週は中京競馬場でダートの頂上決戦チャンピオンズカップ。このレースには、なかなかお目にかかれない強烈な末脚を持つ3歳馬が出走を予定しており今から楽しみです。その馬の名はノンコノユメ。前めの位置を取らないと勝負にならないと言われるダート戦で、最後方から直線だけで全馬をごぼう抜きにするスタイルで勝ち上がってきた超個性派です。さながらダート版のディープインパクトといったレースぶりです。

そして、おそらく現在のアイドル界で最後方で喘いでいるのが、のんたこと辻のぞみちゃんです。流出画像が全て本物であると仮定しての話ですが、今回の一件、のぞみちゃんは完全に被害者です。責めを負うべきはSKE加入後の男女交際ということになるのでしょうが、これとて社会的倫理観に著しく反するものでもありません。情けないのは、この手のリベンジポルノが後を絶たないこと。お国のため家族のため、灼熱の太平洋上で懸命に生きよう苦闘した当時の若者たち。かけがえのない命を散らし英霊となられたあの戦いからわずか70年、日本男児の矜持は何処に消えてしまったのでしょう。

天から二物を授かり裕福な家庭で何一つ悩みなく育ったようなメンバーと同列に考えてはいけません。関西の親元を離れ慣れない土地で努力を重ね早期にアンダー出演を勝ち取ったのぞみちゃん。年長ルーキーとして周りに甘えることもできず、頼れる存在が必要だったのかもしれません。残念ながら現状は活動辞退となりそうな雲行きですが、のぞみちゃんが再び劇場に上がる日が来てくれるのなら、私は声を枯らして応援します。砂や泥をかぶりながらも、夢に向かって最後方からゴールを目指すのぞみちゃんを。

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開催当時そっぽを向いていた第2回ドラフト会議ですが、改めて各チームの指名に至る経緯を見てみると興味深いものがあります。なかでもチームKⅡが2巡指名した白井琴望ちゃんが紹介された動画には正直驚かされました。お母様との二人三脚でトップアイドルの高みを目指す様子は、現代版「巨人の星」そのものであり、熱さとは無縁の悟り世代と言われる今時の若者達を見慣れているせいか、その一生懸命さは却って異様にも感じました。琴望ちゃんはご存知の通り、avex傘下のデラックスカラーズの3期生として2年間のアイドル活動を経験しています。歌やダンスの基礎が出来ておりパフォーマンス面や舞台度胸で他の候補生をリードしていたことは事実です。牧野アンナ先生の評価も抜群だったようです。「み~んなのアイドル」というフレーズはデラカラ時代から使っているもので、オーディションの時に漂わせていた玄人臭さは異彩を放っていました。

素人ぽさを売りにする48グループにおいて、琴望ちゃんの経験値が必ずしもプラスに働くとは限りません。アイドル道を極めんばかりの琴望ちゃんの言動は正統派としてではなく、バラエティ番組等で変わり種として取り上げられるケースの方が多かったほどです。しかし、KⅡのスカウトを務めた惣田紗莉渚ちゃんは、琴望ちゃんのアイドルとしての資質や本気度をいち早く見抜いていました。ドラフト下位から現在のポジションを掴み取った紗莉渚ちゃんだからこそ、確信めいたものを感じていたのかもしれません。また、琴望ちゃんの頑張りは珠理奈ちゃんの琴線にも響いたようで、逸材が居並ぶプラチナ世代の中でも琴望ちゃんには特に高い評価を与えています。母との二人三脚という図式は珠理奈ちゃんと重なる部分がありますね。

ブログやモバメを読むと、琴望ちゃんのファンへのアプローチの手法が、同じ研究生の末永桜花ちゃんとは明らかに異なっていることがわかります。琴望ちゃんは、アイドルとしてファンより一段上の高みに立ち、一定の距離感を維持しながら、全てのファンと広く公平に接しようとするスタンスです。この心地よい距離感が安心できるんですね。「み~んなのアイドル」たる所以で、山田みずほちゃんも同様のスタンスを取っていました。一方、桜花ちゃんはアイドルとしての立場にこだわりは見せず、ファンと同じ目線から個々のファンと濃密な関係を築こうという姿勢が垣間見えます。しかし、このアプローチ法は太ヲタを生み出す一方で、新規ファンが寄り付きにくい雰囲気を作ってしまうという危険性もはらんでいます。

また、琴望ちゃんは素の自分とアイドルとしての自分を巧みに使い分けているように感じます。彼女は自分自身のことを「私」とは呼ばずに意図的に「こっちゃん」と表記しています。これは常にアイドルを忘れないという彼女なりの決意表明であると同時に、素の「私」に戻る逃げ道をしっかりと確保しているのです。一方で、桜花ちゃんは小細工せずにありのままの自分をファンに見せることを意識しているように思います。SKEには桜花ちゃんタイプが多いように思いますが、琴望ちゃんタイプの代表格はあの須田亜香里ちゃんでしょう。須田ちゃんは一昔前には存在し得なかった「だーすー」というアイドルの新たな可能性を見事にセルフプロデュースしてみせました。

アイドルは想像以上に地味で過酷なお仕事です。SKEと言えば全力というイメージが定着していますが、学生メンバーなら学校に加え公演に自主練に握手会にブログにモバメと、休む間もなく大変な毎日を送っています。ラムネやオキドキの歌詞にあるように、どんな人間にも仕事や学業から解放されるプライベートな時間と空間が必要不可欠ですね。また、自分の置かれた状況を客観視しセルフコントロールできる冷静な頭を持っているメンバーは強いです。松井玲奈ちゃんをはじめ須田ちゃんや真那ちゃん阿弥ちゃんは、長く第一線で活躍し続けられる術を体得しているように思います。そういう観点では、琴望ちゃんのスタンスは余分なストレスを回避できる理にかなったやり方と言えます。ドラフトではその特異なキャラクターが注目を集めた琴望ちゃんですが、加入後は本格派の美少女アイドルとして早くも頭角を現しつつあります。この先、白井琴望ちゃんが自分の分身である「こっちゃん」というサラブレッドをどのように乗りこなしてくれるのか楽しみでなりません。その手綱さばきをゆっくりと見守ってあげたいですね。

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刀根麻里子さんが代表を務めるNPO法人 明るい未来を紡ぐ有意識者ネットワークが主宰する人情劇「ボッコ」が、愛知県犬山市は犬山城下町にある犬山昭和横丁で上演されました。主演は我らがSKE48ドラフト研究生の白井琴望ちゃんです。「ボッコ」は同法人が推進する「いじめ撲滅15年計画」の一環として製作された短編劇です。いじめられっ子の少女が合唱や踊りを通じ周囲とコミュニケーションを取り、いじめを克服して行くミュージカルでとても楽しめました。時代背景は終戦後の日本ということで、当時失意の国民を勇気付けようと藤山一郎さんが熱唱した「東京ラプソディ」や「青い山脈」などの名曲中の名曲がチョイスされ想像以上の素晴らしいステージとなりました。

さて、大役に抜擢されたこっちゃんですが、歌に踊りに芝居に、初めてとは思えないくらい実に堂々と演じていました。開演10分前にモバメを送れる余裕が完璧な稽古をこなしたことを物語っています。定員40席ほどのフードコートがステージとあって私も立ち見となりましたが、幸運なことに私たちの真横でこっちゃんが出待ちをしているという通常ではあり得ない状況で、非常にお得感のあるイベントとなりました。それにしても、こっちゃんは細くて白くて美しいですねえ。声も雰囲気も玲奈ちゃんに似てるんですよね。華奢な身体に似合わぬタフさも感じます。大いに期待してよいのではないでしょうか。

客席前方に見覚えのある凸凹コンビが来ていましたが、菅原とあゆかちゃんが応援に駆け付けてくれたそうです。周囲のヲタさんたちが全く騒いでいませんでしたので気付きませんでした。終演後は城下町を抜け犬山橋からの情景を瞼に焼き付け帰宅しました。国宝級のアイドル(ちょっと誉めすぎ)と国宝のお城、とても心地よい週末となりました。ちなみに「ボッコ」は値打ちのないさまを意味する三重県の方言とのことです。北海道では棒切れのことをぼっこと言います。


こっちゃん歌唱曲

♪東京ブギウギ(作曲 服部良一)
♪銀座カンカン娘(作曲 服部良一)
♪青い山脈(作曲 服部良一)
♪東京ラプソディ(作曲 古賀政男)
♪上を向いて歩こう(作曲 中村八大)

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