そのメンバーはキーボードの坂本龍一を筆頭に、村上“ポンタ”秀一、高橋ユキヒロ、矢野顕子、益田幹夫、小原礼、ペッカー、向井滋春、本田俊之、清水靖晃などといった、もうホントよく集まったねと感心するしかないほど 飛ぶ鳥を落とす勢いの日本を代表するミュージシャンの数々。
そしてこのアルバムが発売後すぐに香津美さんをバンドマスターとしたレコーディングメンバー9人からなる期間限定のオールスターバンド『KYLIN BAND』が結成されると同時に、ついにこの年の6/15〜17の3日間 「六本木PIT INN」にて伝説のライブが行われ、それを2枚組で収録したのが
1079年11月発売の『KYLIN LIVE』...この頃は特に、ご存じ「教授」の愛称で知られるプロデュースも担当した坂本龍一氏との親交がとても深く、ちょうどこの頃から活動も活発化してきた『イエロー・マジック・オーケストラ』のロンドン ヴェニュー公演からスタートした初のワールド・ツアー『トランス・アトランティック・ツアー』には矢野顕子と共にサポートメンバーとして参加...当時Y.M.Oは聴衆に対して媚を売ることなく黙々と楽器と向かい合う奇抜な演奏スタイルや、高橋幸宏氏がデザインした真っ赤な人民服等のアジアならではの独特な個性が受け、一気に世界レベルで人気となったとされておりますが、一説によるとそれ以上に度肝を抜いた香津美さんのギターソロが、まだそこまでの高度なギターテクニックに触れたことのない欧米の観客たちの感銘を受け、 その評価が高まったとも言われております。
このライブはYMOの3枚目のアルバム『パブリック・プレッシャー(公的抑圧)』で発表されたんですが、香津美さんのギターチャンネルのみが、レコード会社の契約問題で、当時彼が所属していた『日本コロムビア』の意向という理由でカットされてしまい、代わりに坂本龍一氏のシンセサイザーの追加録音で消されてしまったのは残念としか言いようがなかったんですが、実は僕的にはYMOのスタッフサイドからオリジナルをカセットテープでいただいていたので、昼夜問わず 当時発売されたばかりのSONYの『ウォークマン』で擦り切れるほど香津美さんのギターソロを聞いていたのを今でも思い出します。
(続く...。)