でもユーミン然りサザン然りで、やはりマンネリが通じてこそ、そのミュージシャンの求める音楽が世の中に認められているということですから、

 

 

徹底的に音そのものの本質にこだわり、演ずるミュージシャンにこだわり、そして自分自身の作品にこだわって、この今年70歳を迎える古希まで 約半世紀近くも、毎年毎年同じことを繰り返しながら活動してきたことに、別に不満などは何もなく、むしろ「シティポップスの神」として尊敬するに値するのは当たり前かもしれません。

 

 

ただ映像を一切公に出さないという戦略が功を奏し、長年耳でしかその価値を理解してこなかった山下達郎像を僕らが勝手に美化しすぎていたのは、今回の一件でも明らかでありまして、結局彼の実態はといえば、箱の小さな会場でのコンサートと、もう何十年も経っている古い懐メロ曲の再生作業などといった、大した収益効果は望めない作業を中心自分の本当にやりたい音楽だけを永遠とやり続ける頑固な職人という肩書きをキープしたいがために、定期的にいいタイミングで、ビジネスパートナーとしてガッチリとタッグを組んだ、本来たいして興味もないはずのジャニーズ一派に楽曲を提供し、その分莫大な印税を得るといった手法をここ何十年もやってきたわけです。