今回は珍しく少し真面目な話を...。

 

 

5月3日に突然自ら命を絶った俳優の渡辺裕之さんや、11日 同じようにこの世を去ったお笑いタレントの上島竜兵氏の訃報が世間に衝撃を与えておりますが、僕もこんな業界で40年近く働かせていただいてるので、お二方とも面識があり、竜ちゃんなんかは僕の一度目の結婚式にも出てもらっているし、渡辺さんもほんの数ヶ月前に巨匠堺正章氏とともに、僕の行きつけの原宿『鳥伝』で焼き鳥を食べたばかりだったので、本当に言葉が出ないほど驚きました。。。

 

死因は「老年性うつ」なのではと憶測を呼んでおりますが、やはりちょうど仕事が減りだし、体力も衰えを感じ出す 50〜60歳を過ぎた頃だと、誰でも陥りやすい暗闇の世界...実は僕も、もちろん若き全盛時代は怖いもの無しの楽観主義な人間でしたが、歳をとるごとに時代の流れや仕事の仕方の変化に疑問を抱くと同時に、フリーランスという立場からも収入面の不安も抱えるようになり、「もう僕なんてこの世の中に必要がないんだから 早く死んでしまいたい。」と思うようになった時期がしばらく続きました。

 

イケイケの35歳で一から建てた麻布の自宅ローンも、40半ばで手に入れたハワイのコンドミニアムの高額な管理費も、途中までは楽勝と何も気にもとめていませんでしたが、50を過ぎ、徐々に自分の役割も終わりに近づきつつあると 周りの変化に気が付き始めた矢先のコロナの影響で、毎月の収入をも超える勢いの破格なローン返済が 常に僕の脳裏から離れず、最後はトイレで水を流すのも「お金が流れていく。」と3回に一度しか流さなくなったりと、逃げるようにお酒に走った結果、毎日手の震えが止まらない完全なる躁鬱な日々が続き、今では自ら『屋上リゾート』などと呼ぶ 健康的でHappyなイメージの自宅屋上から、何度も飛び降りようと考えたことも少なくはありませんでした。

 

幸いなことに僕の場合、そんな時は必ずや僕が18の時にこの世を去った「父親」が天から舞い降りてきてその誤った行動を阻止してくれたわけですが、やはり実際に鬱から解放された一番の原因は、 昨年の夏、苦しみ続けたコロナのせいで、逆にメインランドからハワイに移住するアメリカ人が急増した結果生じた「ハワイ不動産バブル」によって、ワイキキ近くのコンドミニアムが購入時の倍の金額で売れ、そのお金を利用して一気に麻布自宅のローンを一括返済してしまったのが大きかった!!

 

 

ただし、壁の色まで全て自分の好みに塗り替え、いつかはそこに住み移りたいとまで思っていたほどお気に入りだったハワイのコンドを売る決断を出すには 相当な勇気が必要ではありましたが、背に腹はかえられず、(苦笑)いやいやホントいい時期に売れてラッキーでありました。

 

(続く...。)