先月のことになってしまいましたが、池袋の東京芸術劇場で上演されていた『ピーターとアリス』という舞台を観劇しました。原作は映画『ラストサムライ』等を書いたというジョン・ローガンさん。ディズニーがアニメ化したおとぎ話『ピーターパン』と『不思議な国のアリス』をクロスオーバーさせた作品ということで、ファンタジックでフワフワした内容なのかなと思いきや、シリアスでちょっと重いかなと思わせるストーリーのお芝居でした。
話の主軸になるのは『ピーターパン』のモデルとなった“ピーター・ルウェリン・デイヴィス”(佐藤寛太さん)と、『不思議な国のアリス』のモデルとなった“アリス・リデル・ハーグリーブス”(麻美れいさん)。世界的名作のモデルという似たような境遇の二人がとあるイベントで出会い、お互いの人生を回顧していくというストーリー。モデルと原作者との関係性や、家族や時代の流れに巻き込まれていく描写にリアリティを感じさせてくれます。そこに幼いころの自分であった“ピーターパン”(青木柚さん)や“アリス”(古川琴音さん)がちょこちょこと心の深層を突っついてくる。現実とファンタジーの境界線を生きてきた二人の人生模様に見応えがありました。
印象的だったのは“アリス”のモデルを演じた麻美れいさん。壮齢の役だったのですが、背筋がピンと立っている立姿は美しく見栄えがあり、老女という感じがせず英国の貴婦人の品格を感じさせてくれました。さすがは元宝塚スターという貫録でした。全体的には登場するキャラクターが個々に舞台を盛り上げていて、舞台演劇らしい面白さのあった舞台でした。久しぶりに“ピーターパン”が飛んでいるのを見た。(笑)

