4月は新卒採用の社員が入社する時期ですね。
この時期には新入社員向けのセミナーのご依頼を多くいただくのですが、
お金の知識というのは本当にできるだけ早くから知っておくことで、
自分の将来がまったく変わってきます。
僕自身、今はFPとして色々なお金に関する話をしておりますが、
FPの資格を取る以前は全くお金の知識がなく、
給料は入った分だけ使うし、社内にあった制度も全く興味を持たず活用していませんでした。
今になって思うと本当にもったいなかったと思います。
僕は幸いにも20代のうちに気づけたのでよかったのですが、
セミナーをしていて50代を過ぎて初めて知ったというような方も多くいます。
こうなってくると、1000万円単位で損をしているケースが大いにあり得ます。
ということで、若いうちに知っておきたいお金の話を今回から数回に分けてしようと思います。
まず資産形成をする上で、若い方の最大の武器ってなんだと思いますか?
これ、すごく単純な話ですが、『時間』なんです。
若い方はベテランの方に比べて、給料は低いことが一般的です。
しかし、ベテランの方にはない武器は、今後の時間が長いことです。
国税庁の『平成28年民間給与実態統計調査』によると、
20代前半の男女の平均給与は258万円、40代前半の男女の平均給与は460万円だそうですので、
給与の差は1.8倍ほどあります。
しかし、例えば、給与のうちの15%を65歳まで貯蓄していこうと考えたときに、シンプルな計算で、
20代前半(23歳とする):258万円×15%×42年=1625.4万円
40代前半(43歳とする):460万円×15%×22年=1518万円
となり、20代から始めていた方が多く貯蓄ができていることになります。
もう少し現実的に、給与が上がることも考慮して、同様の計算をしてみましょう。(単純化するため5年毎に給与アップとします)
23歳からスタートした場合、
23歳(258万円×15%×5年)+28歳(351万円×15%×5年)+
33歳(403万円×15%×5年)+38歳(433万円×15%×5年)+
43歳(460万円×15%×5年)+48歳(494万円×15%×5年)+
53歳(504万円×15%×5年)+58歳(494万円×15%×5年)+
63歳(378万円×15%×2年)=2661.15万円貯まります。
対して、43歳からスタートした場合は1577.4万円になります。
その差1083.75万円です。
さらにここに金利を絡めてみましょう。
上記の場合同様に積み立てながら、毎年年利1%で運用を続けられた場合、細かい式は省きますが、
23歳からスタートした場合は約3244.44万円、
43歳からスタートした場合は約1773.32万円となるので、
その差は約1471.12万円にもなります。
このように少しでも早くから意識をすることで、余裕を持った老後の資産形成ができます。
もちろん老後のためだけに貯蓄するわけではなく、人生を謳歌するために現役時代にお金を使うことも大切ですよ。
早くからきちんと資金計画を立てることで、金銭的に余裕を持った人生を送りやすくなりますので、
できるだけ早いうちから資産形成を意識しましょう。