この度、4月2日(月)20時からTBSで放送される『がん消滅の罠〜完全寛解の謎〜』というドラマで監修をさせていただきました。

http://www.tbs.co.jp/gan_shoumetsunowana/

 

このドラマは2017年に『このミステリーがすごい!大賞』で大賞を受賞された、ガンをテーマにした医療ミステリーです。

作者の岩木一麻さんは国立がん研究センターで勤めていた経歴の方だということで、ガンや保険についての描写がとてもリアルですし、何よりミステリーとしての完成度が抜群に高く、引き込まれる作品でした。

 

僕は原作も読んだのですが、ドラマでは少し違うストーリー展開もあるので、原作を読まれた方も、未読の方も楽しめると思います。

 

さらに監修として現場にも顔を出させていただいたのですが、急遽保険会社の社員のエキストラとしても出演することになりましたので、及川光博さん渡辺麻友さんの周りのどこかに映っているかもしれませんw是非探してみて下さいw



※追記

こんな感じで出てましたw

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以上は告知なのですが、ちょうど先日知人がガン宣告を受けたこともあるので、今回はガン保険についての話も少しだけしようと思います。

 

まず、医療保険ガン保険の関係について整理してみましょう。

 

下図のように、医療保険はガンも含めた病気やケガ全般の保障で、その中にガンだけを対象とするガン保険が存在します。

 

つまり、ガン保険には入っていなくても医療保険に入っていればガンの場合も給付はされますし、どちらにも入っていた場合にはどちらの保険からも給付が出るわけです。

 

また、先進医療特約というものがどちらの保険にもある場合が多いですが、ガン保険で先進医療特約を付けるとガンのみしか対象にならないのに対して、医療保険で先進医療特約を付けるとガンも含む、すべての先進医療が対象になったりもします。

 

この話だけ聞くと、ガン保険ではなく医療保険に入ればいいようにも見えますが、なぜガン保険が独立して存在しているのかというと、ガンの治療には大きなお金がかかる可能性があるからです。

 

『可能性』という言い方をした理由は、日本には『高額療養費制度(下図参照)』という制度があるため、基本的には、たとえガンの治療などで仮に医療費が300万円かかったとしても一般的な所得の方であれば、実質の自己負担額は107,430円になります。

 

ただし、これは『ひと月の上限額』ですので、ガンという治療が長期化する可能性のある病気の場合、自己負担は抑えられたとしてもそれが長く続くとかなりの負担になる場合があるためです。

 

とは言え、医療技術はどんどん進歩しており、ガンでの治療期間も基本的にはかなり短くなっています。

実際、僕の前職の上司は胃ガンになり、胃の3/4を切除しましたが2週間後には仕事復帰して、その後も通常通り働いていました。

このような場合、高額療養費制度があれば、自己負担はあまりないわけです。

 

ここでもう一つ大事なポイントになるのが、『医療技術は進歩する』ということです。

 

保険は、加入した時に約款に定められている条件が適用されるため、昔加入したガン保険や医療保険があまり役に立たなくなる場合もあります。

 

例えば、昔のガン保険は『20日以上の入院があった場合に給付される』というようなものが主流だったのですが、このガン保険に入っていたままだと、先ほどの上司のケースではガンになって、ガン保険にも加入しているのにお金はもらえないことになります。

 

つまり、ガン保険を含む、医療保険は時代に合わせた見直しが必要になる可能性があるということです。

終身タイプの保険だから安心というわけではないのです。

 

各保険会社は今はほとんど終身タイプの医療保険しか取り扱っていませんが、見直しが前提になるならば定期保険と変わりません。むしろ定期保険に比べて、終身は割高なので、保険会社からするとドル箱商品なわけです。

 

こういう事情があり、高額療養費制度という国の手厚い制度もあるため、個人的には医療保険はあまり好きではありません。

 

とは言え、本当に治療が長期化したり、長生きした場合には加入していてよかったということになりますので、保険が不要と思っているわけではありません。

 

『高額療養費制度+自分の貯蓄』ではまかないきれない可能性のある範囲を、無駄なく保険で備えるのが良いというのが僕の個人的な考えです。

 

保険に正解はないので、僕の考え方が正しいわけでもありません。

各々の価値観に合わせて、加入することが一番大切です。

 

保険は複雑なので、つい担当の人に言われるがままになってしまいがちですが、自分で判断できる基準が身につくような知識を少しも提供できれば幸いです。