2024/06/20

楠木健「室内生活  スローで過剰な読書論」。経営学者、楠木先生の書評集。経営に関わる本を中心に余すところなく楠木節が堪能できる。

通常、書評は多くの人にその本のよさを知ってもらうために、公平な視点で書かれる。他方、楠木先生の書評はかなり偏っている。というか、ご本人の好きな本しか書評しないということで、対象となる本への愛が溢れている。で、その本を通じて、自身の考え方も強く伝わってくる。「楠木書評」というオリジナルな分野といっていいだろう。

一応、楠木先生と同じ仕事をしている。学者としての能力、評価は全くもって比べものにならないけれど(私のところにはユニクロの会長から仕事の依頼はないし、ニューヨークで講演をすることもない)、考え方もずいぶん違う。楠木先生は「好き・嫌い」がスタイルの多くを決める。私はどうしても「良い・悪い」が先にきてしまう。だからなのか、先生の本を読むとぐっと引き込まれる。これもありなんだよな、と思いながら。ちなみに先生とは頭部の状況だけ似ている笑

書評集なので、もちろん今回も多くの魅力的な本を教えてもらった。当分、読む本には困らないな。まあ、いつも困ってはないけど。読みたい本が多くて幸せではある。

*****

6月も半ば過ぎ。仕事が次々と入ってきて、気が休まらない。眠りが浅く、朝がスッキリしない。まあ、いつもどおりの6月か。週末はゆっくり本を読もう。