先日テラスで転倒事故を起こした原因となった植物の名はヤブガラシでした。
雨の日の失敗談を思い出してくださったかたもいらっしゃることでしょう。

今日は植物観察の視点でヤブガラシのお話にお付き合いくださいませ。

今年我が庭は荒れ放題になり、ブドウ科ヤブガラシ属のヤブガラシが我が物顔にすべてを覆い尽くしております。名前のとおり、この植物が繁茂すると他の雑草が枯れてしまうとされ、根が深く入り込んで実に厄介な嫌われものなんですが、、。

文豪 泉鏡花は、こまかい花が集合して咲くようすを評して、4片の花びらの中央に白いろうそくが点っている姿を「雀の蝋燭」と呼び、大層愛でたそうです。そう言われてみれば、小さいながらピンクの燭台の真ん中にちゃんと蝋燭が立っていて、実に可愛らしい。泉鏡花は随筆の中でヤブガラシを「ごんごんごま」と呼んでいたそうで、これがヤブガラシのことであると突き止めたのは植物学者の塚谷裕一氏とのこと(梨木香歩氏「炉辺の風おと」より)

しかし直径2ミリの燭台では雀も載らないでしょうから、蟻の燭台かもしれませんね。

動画はU tubeからお借りしました。


ところで、ヤブガラシに群がる蜜蜂や雀蜂が多いので、ある時、花を手折って私も舐めてみました(恐る恐る)


すると

おっ❗
あま?
甘い、甘い🎵

感じのいい極甘(*^.^*)でした

ヤブガラシに、このような優雅なお味があったのがわかった日は、一日中機嫌よく過ごせた私でした((#^.^#)

食用になる野草としてヤブガラシの新芽は美味しいと云われますので、毒ではなく花も食べられると(素人考えでなので念のため)思うのですが、国内で花を利用していると聞いたことはありません。研究者に成分分析をしてもらって安全性が確かめられたなら、もっと利用されてもいい植物になるかもしれませんね。

ちなみに、日本在住のヤブガラシは実をつけないタイプなのですが、南方では紫色の果実をつけるヤブガラシがあって、日本国内でもこのヤブガラシが少しずつ北上中だとのこと。もし、皆様の地域で実をつけたヤブガラシを発見したらぜひ教えてくださいね🎵

今日もブログをお読みいただきありがとうございました。