秋の午後、島根県安来市にある足立美術館のお庭に伺いました。
米国の雑誌社 journals of Japanese Gardens が出す日本の庭ランキングで13年間不動の一位を維持する庭園は、
年々世界中の人々を虜にしています。
私自身は3度目の訪問ですが、講座の皆さんは全員が初訪問という事で、すっかり庭園に魅せられていました。
エントランスを入ると苔庭が目に染みるような緑のマスで視界に飛び込んできます。
明るく開放的な庭でありながら、自然の山や川、滝が古来からそこに存在しているかのような安らぎと深遠さを感じます。
やはり足立美術館庭園だけが持つ持ち味です。
夕陽に映える樹木は、
山にあるように斜めに傾いでいるものあり、
赤松がいくらか女性的な柔らかさを与えているコーナーです。
この辺りの岩は鳥取産、四国産のものを使い分けて
リズム感を出しています。
借景となっている山々によって、どこまでも続くような広さと奥行きが強調されて。
借景の山が別物になっては景色のバランスが崩れることを心配して、山までも買い占めてしまったというのですから、創始者 足立全康氏の情熱には驚いてしまいます。
じっと耳を澄ますと川のせせらぎ、滝が流れ落ちる音が、
これ以上ないBGM となって、時を忘れてしまいます。
木陰の庭ではモミジや楓がさやさやと風に揺れています。
奥へ奥へ入っていくにつれ、
樹木の種類も変わり、どんな細部にも行き届いた手入れが相まって、
見ても見ても見飽きない光景が続きます。
日が傾くと共に、光と陰りのコントラストがいや増して美しく・・・・
お茶を頂ける茶室「寿立庵」への苔の露路は、足が、眼が、釘付けで前に進めないほど。
枯山水庭のあたり。
窓枠が額縁になっている「生まの掛軸」が何ヵ所か用意されています。
写真がここまででいっぱいですので、残りは次回に。
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