ピンク・レディーについて、デビュー前から解散までの軌跡をいろいろ調べているのだが、さすが空前のブームを巻き起こした超人気アイドルだけあって、本人たちの発言や文章が、活字(新聞、雑誌、単行本)や映像で結構たくさん残っている。全てを網羅することは難しいが、これまで自分が確認できたものからも、2人の人柄やその時々の思いがよく伝わってくる。

そこで、当時のケイちゃんのことばの中から、目についたものを集めてみた。厳密ではないが、できるだけ時系列に沿って並べている。このリストはあくまでも暫定的なものであり、今後も更新を目指すつもりで「β版」とする。

今回は、デビューのきっかけとなった1976年2月収録(放送は3月)の「スター誕生!」から、77年の年末、超ハードワークの中、腹膜炎で緊急入院し、手術の傷跡が開いたままで紅白歌合戦に初出場を果たすまで、ケイちゃんがどんなことを語っていたのか、ご紹介する。

(「Singles Premium」より)

【1976年】

 

★(将来どういうグループになりたい?)歌って、踊れて、それからとにかくビートの効いた歌を得意としたいと思います(「スター誕生!」決戦大会)

 

★ロッカールームへ入ったら、ムッとするようなおしろいと汗のにおいなの。それだけで、なんかわかんないけどすごく悲しくなっちゃって、ボーっと立ってたの(デビュー直後、雑誌の企画で銀座のキャバレーのホステスを体験)

 

★逃げたい、こんなことを引き受けなければよかったと後悔していました。だけど、やってよかったと思っています。どんな場所で働いていても、本人さえしっかりしていればいいんだということを知りました(同上)

 

★性格がまるで逆なんです。ミーはおっとりしていて少し頼りないところがあるんだけれど、ケイは男まさりでしょう。どうしてもケイが引っぱっていく感じになるんです(雑誌の対談)

 

★末っ子はケイの方なの。兄と姉がいます。だから自分じゃしっかりしているつもりなんだけどミーにいわせると、「ときどき甘ったれる」そうなの(と大笑い)(同上)



(「Singles Premium」より)


【1977年】

 

★(ミーちゃんは)身がいっぱいついてるからミー(「スターどっきり㊙報告」寝起き~ピンク・レディー編~) *ミーちゃんは「毛が長いからケイ」と言い返した 

 

★静岡を出るとき、一人前になるまでは、家の敷居はまたいでも絶対に泊まらないって約束をしたんです(雑誌の対談)

 

★ケイはわりに女の子っぽい性格だから、なんかあると反発しちゃうけど、ミーは男っぽくてさっぱりしてるから、「ごめんネ」で終わっちゃうんです(同上)

 

★これがピンク・レディーダンス、ミーのお尻に注目して!…おっきいでしょう!(「チャレンジ・コンサート」ステージでの台詞)

 

★「ピンク・レディーのステージを11回も見たよ」などというファン・レターをもらうと期待を裏切らないように、もっと力をつけなければ…と反省しちゃいます(雑誌記事)

 

★もっともっと勉強して、レッスンを受けて、歌をバチッとキメなきゃね。ケイは歌に心をこめるということを覚えたいの(「ピンク・レディー ケイとミーの作った本」)

 

★(前略)私達って歌のイメージがあるからいつも明るくしてなきゃいけないでしょ?演歌の人なんか違うもの。ちょっとでも顔に出ると元気がないって言われるし、つらくても笑ってなきゃならないって悲しく思うこともあります(同上)

 

★すっごく泣き虫です。今でも叱られるとすぐに泣くので、また叱られちゃうんです(同上)

 

★(自分の嫌いなところは?)気が強いこと。意地っぱりなこと、すぐ顔に出しちゃうこと。ミーを見てるとますます自分の嫌いな面がふえちゃうみたい(同上)

 

★性格はきついし、意地っぱりでしょ?でも自分では女らしくなろうって努力してるから、少しづつはなってるんじゃないかしら?(同上)

 

★でも今のケイが恋をするんなら、ただつくすだけだな。つくされるんじゃなくて、つくすの。(同上)

 

★好きな人が死ぬときに“お前と一緒に生きていて良かった”って言われるようなつくし方の出来る女になりたいんだもの(同上)

 

★歌や踊りにしても、うまく、小さくまとまるんじゃなくて、大きく大胆なものであれば、客席とステージが本当に、ひとつになるんじゃないかなって思うの(「サマーファイア’77」プログラム)

 

★ステージって、すごく素敵な恋人って感じよね。冷たくて、一生懸命つくしても、つくしても、なかなかイイ顔をしてくれないし。でも、そのうちに絶対にまいったって言わせちゃう。ケイ、きみはすごい女性だよって頭を下げさせてみせるわ(同上)

 

★(前略)ここまで歩いて来れたのは、スタッフの方々、ファンの方々、そしてミーとの友情、この三つの力のほかには何もありません(デビュー1周年で雑誌に手記)

 

★もし、結婚するなら、ミーと一緒に同じ日に同じ式場で結婚式を挙げたいね(雑誌記事)

 

★仕事をするということは、ただ忙しいだけじゃなく、本当に鍛えられなければ成長はないんだという気がしています(「ケイとミーの作った本2」)

 

★この頃とっても人の暖かさに胸がキュンと痛くなるの。わけもなくうれしくって、でもそのうれしさって泣きたくなるのをこらえてるときみたいな、あんな状態になるの(同上)

 

★今、とっても幸せ。だって私達を応援してくれて、見守ってくれるファンの方々がこんなにいて、つらいときも、苦しいときも力づけてくれる(同上)

 

★ケイは思うんだけど、最近歌も下手になったし、踊りも中途半端なの、このままじゃ駄目になっちゃう…なのに、とってもとっても期待をかけられて、それがとても重すぎる(同上)

 

★今のうちにもっともっとレッスンを積んで覚えなきゃならないこと、実力を貯えておかなければ、きっといつか気がついたときにはボロボロになっていると思う(同上)

 

★でも、ケイってとっても誤解されやすいタイプだと思うんだ。いつも相手に対して思いやりを忘れずに…って思ってるんだけど、反対にとられたりして…(同上)

 

★ケイ、普通の女の子よ、とっても淋しがりやで泣き虫なの。この頃、女の子のファンが増えて、とってもうれしいの。いつかきっとこんなケイをわかってもらえるわね(同上)

 

★忙しい時には少しでも寝たいと、そう思っていたのに、毎日寝ていると早く仕事がしたくて。そんな自分がくやしくてたまりませんでした(腹膜炎手術を終え退院)

 

★(前略)みんなに心配かけたことは、ごめんなさい。キズ口もしっかりついているっていうお医者さんのお墨つきがあるんですもの。本番では、これまで以上にがんばります(「紅白歌合戦」初出場を前に)