$やさしい暮らし

お浸しをきちんと作ることができる人が少ないそうです。
私の大好きな料理家の一人、辰巳芳子さんが著書の中でそういっておられました。

日本料理の中で最も世界に誇りうる料理は「和え物、小鉢もの」とおっしゃる辰巳さん。
シンプル極まりない料理だから、積み重ねる小さな心遣いや気配りが出来上がりを大きく左右します。

茹でる時の塩加減は薄いすまし汁くらいの塩加減で、茹でる前に一度水に浸して元気を取り戻させる、茹で加減は青菜の状態に合わせて秒単位で調節する、青菜の種類によって冷水をかけて冷やすか水に浸してアクを抜くか、水の搾り加減はお浸しと和え物では違うとか…

これを技術として考えると面倒ですが、「一番おいしい状態にして食べてもらう」「素材の一番いいところを余さず引き出してあげる」と考えると、ただ相手(素材)のことを想う、という簡単な事だったりする。

その気持ちがあったら自然に技術が付いてくるって感じかしら…


なんだか哲学的になってきました(^^ゞ



春になると花野菜がおいしいです。
菜の花はスーパーなどでなじみの食材ですが、菜の花以外の花だっておいしく食べられます。

実家の畑には小松菜、山東菜、ほうれん草、青梗菜、白菜、キャベツなど収穫しきれなかった野菜が花芽を付け始めました。
花芽が出ると葉野菜は固くなって食べられない(おいしくないという意味でね)ですが、それはそれで、これからは別の楽しみがあります。

ある程度収穫に見切りをつけたら、今度は出てくる花芽をぷちぷち摘み取って食べちゃうのです。
むしろ花を収穫するために大事に育て続けてるのです。

当然、種類によって味も香りも少しずつ違うのですが、共通してるのは柔らかくて瑞々しくて、人間が春先に必要としている栄養素をしっかり含んでるってこと。
体は自然に季節季節で必要とする味があるのですが、春先にはほろ苦さを求めるんですって。
夏は酸味やスパイシーな辛味を必要としたりするのもそんな自然の摂理なんですよー


なんだか前置きに小難しいことを書いてしまいましたが、花芽の下ごしらえは割と簡単です。
アクもそんなにないので水にさらす時間もほとんど必要ありません。
香りを楽しみたいので茹で過ぎないことと、ぎゅ~~~って水気を絞り過ぎないことくらいかな。
風味と食感を加えたいなら胡麻を混ぜてあげるといいですよ。
干し海老やしらすなんかを加えると、気の利いた酒のアテにもなります。

毎日食べても飽きません♪



~菜花のお浸し~

・菜の花などの菜花   100gくらい
・塩          水1リットルに対し大さじ1
・かつお出汁      100ccくらい(菜花が浸る程度)
・薄口醤油       小さじ1~2
・酒          小さじ1/2
・白ゴマ        小さじ1程度
・花かつお       適量

1.菜花はキレイに水洗いし、沸騰したお湯に塩を加えてさっと茹でる。湯に入れるときは茎から入れ、花の部分をあとに入れて茹でる。
2.30秒くらい茹でたら冷水に落とし、2~3回水を替えながら粗熱を取り、軽く水気をしぼってかつお出汁に浸し完全に冷めるまでおく。
3.芯までしっかり冷めたら水気をしぼって刻み、薄口醤油と酒、白ゴマを加えて混ぜる。器に盛って花かつおを天盛りにする。







今回は青梗菜の花と山東菜の花を使いました。
どちらも全くクセがないので水にさらすのは熱を取るためだけです。
小松菜やキャベツ、白菜もほとんどアクはありませんが、ほうれん草だけは心持ち長めに水に浸してください。
あくまで心持ちでOKです。
基本、花芽はアク抜きの必要がないと思っていただいたのでいいかと。

お醤油は薄口醤油をお使いください。
濃口醤油(関東では普通の醤油なのかな?)では醤油の香りが濃すぎてNG。
私が愛用しているのは大分のヒゲタ醤油さんの薄口ですが、色も薄く上品な香りがあります。
旨味もしっかりありますのでおススメいたします。


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摘みたての菜花。
これは山東菜の花です。
小松菜はうちの両親に先に摘まれてしまってたので、二番芽が出るまでおあずけなの(ノ_-。)


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これは青梗菜の花。
脇芽が出やすいように頭頂部の花から収穫するのがコツなのです。


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ブロッコリーやカリフラワーも花芽ですよね。
ブロッコリーは現在二番芽を収穫中です。


どの菜花もそうですが、無理に野菜室で長く持たせようとするより、収穫して(買って)すぐに茹でるほうがおいしさも栄養価も高いです。
茹でておくと何かしらとすぐ使えますしね。
でも2~3日で食べ切りましょう。

うちは朝昼晩といろんな形で活用しますので、一日一株くらいあっという間に消費しちゃいます。
むしろ一食で一株なんていうのもざらだったり…(・・。)ゞ





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