時の逝くのはなんと早い事かと、痛感する。
日々、やることも無いのでパソコンに座る。だいたい書くべきものはこの8月で終えた。ふと思うのだが小説を勘違いしていたと。こういう起伏のない日々、過行く時間に身を置く自分を、言い変えると、小説の語り手たる自分をもはや日常に小さな欠片として描いていくことだと知る。意匠が無いとテーマ、テーマは多様なようで最後、人間という事になる。
饒舌も科目も過剰であれば、人間というテーマは自ずと描かれる。
北欧のヒューマンポジションという映画を見た。静かでいい映画だった。それとアシスタントという映画も。共に主人公の内面がどうのでなく、そこに、単調な空間こそが私の人生だと知る。企みと言っては何だがチャンイーモウのワンセカンド、アラビアのロレンスよりも砂漠が美しい。初恋の来た道など俳優を使わず素人、演技をしようとしても素人がそのまま出る演出はさすがだった。こういう映画を見ていると、人生の美しさ悲しみを、染み出す岩の割れ目の清水のように飲める。心が乾いている今の私は生きていて良かったと思った。