オーダー違い?
先日のこと。
ダーと二人でラーメン屋さんに。
私は、そのお店の店名が入ったシンプルなラーメンを注文し、
ダーは、中華そば を頼んだ。
しばらくして、私たちの隣に幼い子どもを二人つれたお母さんがやってきた。
その親子3人は、メニューを見て、迷うことなく注文を始めた。
『中華そば2つにラーメン一つ、あとぎょうざを二皿お願いします。』
お店の人は、メモとり、それを見ながら注文を復唱したあと、さっそく調理にとりかかった。
そうこうするうちに、私たちの前には注文したものがそれぞれに運ばれてきて、
腹ぺこな二人は黙々とラーメンをすすりはじめた。
『ねぇ。』
ダーが声を発した。
『隣の親子が注文したのは、中華そば2つとラーメン1つとぎょうざ2皿だよね?』
変なことを言い出すものだ。
でも…。
不思議なもので、意識していたわけではないのに、私もその注文内容はよく覚えていた。
『そうそう。』
するとダーが続けた。
『そうだよね?中華そばは2つだよね?』
うんうん。確かに中華そばは2つ注文していた。
『あのさぁ…。お店の人が注文を復唱したとき、中華そば1つって言った気がするんだよね。』
え~
私の記憶では
親子は確かに中華そばを2つ頼んだように思う。
ダーが言うには、お店の人が『中華そば1つ』と復唱し、親子は『はい』と答えてしまったと言うのだ。
私はと言うと、壁に張られたポスターに目が行っていて、店員さんの復唱に関しては覚えがなかった。
中華そばは1つか、それとも2つか?
厨房を見た。
ぐつぐつ煮えたぎった鍋に、まあるくまとまった麺の固まりが、ほぐされては投入…またほぐされては投入された。
1つ、2つと数えていたのに、ちょうどあと1つを見届けたいところで店員さんが陰になり!…見えなかった。
『めっちゃ気になるよね…』
ダーと二人、おいしいラーメンを食べながら、頭の中は、お隣りの注文のことで一杯だ。
『だけど、私たちが言うわけにも行かないしね…』
『今の復唱…中華そばはいくつっておっしゃいましたか?』って聞くの??
『う~ん。そうだよね。突然確認したらへんだよね。どうしようか、でも絶対に、出てくる中華そばは1つだよ。あとから『え?二つ注文したんですけど…』ってことになるよ!絶対!』
私たちはひそひそと、結論の出ない会話を繰り広げていた。
再び、厨房に目をやる。
用意された丼はやはり二つで…。
傍らにならんだ
チャーシューも6枚だ。
私の注文したラーメンにのっていたチャーシューは3枚だから…。
やはり間違いない。オーダーを通っているのは中華そばとラーメン、それぞれ1つづつ…。
そうなると、今度は、そもそも『中華そば2つ』は私たちの聞き間違えで、親子はもともと合わせて麺類を計2つしか頼まなかったのかもしれない…と思う。
『はぁ…』
ダーが辛そうなため息をついた。
『こういうの、辛くて大嫌い。』
その時、親子の前に
中華そば1つとラーメン1つの丼がおかれた。
すかさずお母さん…
『あら?…中華そば…二つ頼みましたよね?』
あ゛
やっぱりじゃん
復唱した時に間違ったんだよ
私たちは再び深いため息をついて
やっぱり言えばよかったと後悔した。
『ごめんね~』
小さい声でダーが言った。
席が隣り合って近いラーメン屋さん。
聞くつもりもない人様のオーダーを聞いてしまったことで
想像もしない苦い思いをしてしまった。
みなさん、店員さんの復唱は、しっかり確認することにしましょう。
Kayoko