電車で嘔吐 | 宮田佳代子オフィシャルブログ「ママレード・カフェ」Powered by Ameba

電車で嘔吐

気分の悪いタイトルで…

ごめんなさい。

でも、そんな状況がもし訪れたとしたら…。

いやよね!!

絶対いや!!


今日お話するのは、boyの身に、実際おこった悲劇…


でも実は…

感動の実話なのです。


★電車で嘔吐…2010年6月30日

その日は月曜日でした。

土日の野球の疲れがとれていないのか、

boyの顔色はすぐれず…

朝から『ダルイ』の連発です。

微妙なお年頃…

学校に行きたくないだけでも体調は本当に悪くなるもの。

甘ったれた小僧に育たぬよう…

わが家ではそんな時、熱を計り、

熱があればお休みし、

熱がなければ、とりあえずうちから出す…

と言う、鬼のようなシステムを採用しとりますべーっだ!

この日のboyは熱もなく、顔色もまあまあだったので、

いつものように、最寄り駅まで車で送り…

電車に乗せました。

励ましながら『いってらっしゃい!』

『いっへひま~ふ…』

やや心配…ガーン

だいじょうぶか?

boyと別れて20分位したころだろうか、

私の携帯に見知らぬ番号の着信。

とりあえず電話に出ると…
なんと電話をくれたのは!
!!!

boyが通過するはずの途中の駅の売店のおばさん!

もちろん知らない人!

ひぇ~!

行きさつはわからんが、とりあえず、やばー。

ガーン ガーン ガーン

『息子さん、電車で具合が悪くなって吐いてしまったそうです。

今、駅の医務室に連れていきますので、迎えに来ていただけますか?』

おそらく…

boyは車内で吐いてしまい、どうにもならずに途中下車し、

売店のオバサマに泣きついたのだろう。

わざわざご自分の携帯から電話をくださった方…。

初めて話すのに、なんと温かく、穏やかなしゃべり。
その方のやさしさをひしひしと感じて、早くも涙がこみあげてきた。

『ありがとうございます。すぐに迎えに行きます』

私は化粧もせず家を飛び出し、車をとばした。

もーね。

大きく後悔…。

もっと注意深く体調を見守ってやればよかった…。

車内で吐いただなんて、どんなだったろう。

混んだ車内で、どうにも我慢できずに吐いてしまっただなんて…。

どんなに辛かっただろう。
大人だってどうしようもない!

回りは?

吐いた汚物?

恐らくそのまま残して下車よね…。

う。

混んだ車内だから、被害者は何人かいるのではないか?


大変なことになったと感じながらも、8歳のboyには、きっとどう取り繕うことも出来なかったろう…。


駅につくなり、医務室に飛んでいく私。

カーテンの向こうにベッドが二つ。

名前を告げると、やさしそうな駅員さんが、向かって左側のベッドへ案内してくれた。

しゃっ!

カーテンを開けると、

そこには、思ったより元気そうなboyがいた。

『つらかったねぇ』

顔を見て、次に制服の胸元を見て、そして脱ぎ揃えられている靴を見た。

意外にも汚れていない。

『電車の中で吐いちゃったって?』

口から出たものの行方を案じてそう話しを切り出すと、

boyは嫌がることもなく、
その時の様子を話してくれた。

なんでも電車に乗った瞬間からいやな予感があったらしい。

いつ電車を下りようかなと考えながらも、

乗っているのは急行電車

気づくとしばらく停車しない長い駅間隔にはいってしまった…。

なににすがればいいかも分からず『気持ち悪い…』と必死に声を搾り出した…

すると、すぐ隣にいた若いサラリーマン(boyによる表現)が、

すかさず、コンビニのビニールを空にして差し出し、その中に吐かせてくれたというのだ!

なんと手際のいい!

なんと温かな対処!

話を聞いている私には、boyを助けてくれたそのサラリーマンには後光がさしているようにすら感じる。


ところがだ。

驚くのはまだ早かった。

近くにいたもう一人別のサラリーマン(boyによる表現)が、

ウェットティッシュを鞄から出し、boyの顔を拭いてくれたと言うのだ!

『二人とも、男性?』

『うん、そうだよ。』

していただいたことの重みは8歳の子にもわかる。

その時のことを思い出しているのか、胸をいっぱいにしてboyが続けた。

『でね。その袋はその人が片付けておくからいいよって。』

えー!!!!ガーン!!!!!!

『その人が持って行ってくれたの!?

汚物の入ったそのコンビニの袋を持ったまま、そのお方は去って行ったというのか!?


びぇーん!

何と言う…。

何と言う優しさ!

これぞ無償の愛ドキドキ

まるで母の愛だ!

電車の中での嘔吐という、ハジメテの辛い体験を、温かな愛で支えてくださった、『若い二人のサラリーマン』。

本当に、本当にありがとうございました!

どうしてもお礼が言いたくてね。

次の日と、その次の日、そして次の日も同じ電車の同じ車両にboyと一緒に乗ってみた…。

ところがあたりを見渡しても彼等はいないとboyが言う。

あ~。

何とかならないものかDASH!

売店のおばさまドキドキ
駅室の駅員様ドキドキ
そして、若いサラリーマンのお二方ドキドキ

みんなに支えられて、
チビは登校してるわけですね。


こんな場でしかお礼がいえませんが…

本当に本当に!

ありがとうございました!