今日もご訪問くださいましてありがとうございます。



今朝のポスト確認で…

とても「悲しいお知らせの葉書」がヤマハより届いていました。





50年間お世話になったピアノの調律師の方のことで……

お亡くなりになった……とのこと……

得も言えない寂しさを感じます。



〜*○*〜


今から50年ばかり前のこと……
私が大学3年生のとき
使っていたピアノに満足を感じられなくなり
家庭向けのコンサートグランドピアノを購入しました。


その時から
かれこれ50年ばかり
その調律師の方にずっとお世話になっていました。


調律師協会では大変な重鎮の方で
私達のようなド素人のところへおいで頂くなんて
本当にもったいないことだったのですが……




音楽系の大学への進学をせず
いわゆる一般的な大学生であった私にとりましては
趣味のジャンルのピアノであったため……

特にコンサート用グランドピアノは
大変に贅沢なものだったとは思うものの…

私が弾き……
娘が弾き……

そんなピアノも約40年にも亘って弾けば
弾ききった感もあります。


ピアノはその間ずっとその調律師の方に調律して頂き
タッチや音色……
私の希望をずっと叶えてくださっていました。


でも……年と共に
次第に弦を打つハンマーのフェルトは硬化してしまい
調律のたびには
針を入れたり削ったりしてフェルトの硬化を戻してくださっていましたが

遂には、音色のコントロールができなくなりました。

ピアノは消耗品であると言われる理由をそこで 
理解できました。


〜*○*〜


そんなわけで……

私の還暦の御祝にと
趣味のピアノとしては贅沢なのですが
その調律の方のお勧めで
家庭向けとしては
少しハイレベルのグランドピアノを新たに購入しました。



引き続き調律もお世話になっておりました。

私が弾き……
娘が弾き……
今度は孫が弾き……

親子孫の3代が
その調律師の方のお陰を頂きながら
楽しくピアノを弾かせて頂いていておりました。


〜*○*〜


去年の年末に……
「明日から病気治療のために広島市民病院に入院します……」と
翌年のカレンダーをご持参されて、ご挨拶に来られました。

その後何のご連絡もなく…

大丈夫なのかしら……と
今年6月に、心配になって、娘と孫と共に
ヤマハのサロンに出向きご様子を伺いましたら
調律ができるようになられたとのことで……


とても嬉しかったです!その時は………



最後の調律をこの夏にしていただきました。


それから………3ヶ月後に……

あまりにも早い別れに言葉がありません。


〜*○*〜


私の娘時代からの古いグランドピアノも
今、我が家に鎮座しています。

2台のグランドピアノを眺めて……弾いてみて……
その方の御恩をしみじみと感じています。

50年間、本当にありがとうございました。

〜*○*〜


孫のりりちゃんも我が家で
この方の調律を頂いたピアノを弾き
ピアノの先生とは違った観点で
広い会場での演奏のためのアドバイスを頂きました。

りりちゃんのピアノの演奏を
追悼の気持ちでアップさせて頂きます。


4年生のときの演奏で
ブルグミュラーの「紡ぎ歌」

5年生のときの演奏で
ドビュッシーの
「子供の領分より グラドゥス・アド・パルナッスム博士」
終盤の部分です。


拙い演奏ですが………


紡ぎ歌

子供の領分より グラドゥス・アド・パルナッスム博士 




心より御冥福をお祈りいたします。



〜*○*〜*○*〜*○*〜



今日も本当にありがとうございました。