日本の方は驚かれるかもしれないですが、世界には様々な暦があるため、多民族国家のアメリカにはたくさんのお正月があります。今回はユダヤのお正月の話です。

 

今日は西暦2020年9月19日であると同時にユダヤ暦5781年1月1日、つまり元旦です。今年はロックダウン下の二人だけのお祝いです。

今年はハラは焼かないと決めていたのですが、ベーカリーで売り切れていたため慌てて作ったためちょっと不格好ですが味はオッケーでした。魚は地元でとれたメバル、刺身は馴染みの寿司屋さんから。

 

ユダヤのお正月に欠かせないのが、丸いパン(Challah;ハラ)、りんごと蜂蜜です。丸いハラは満月を意味し、2つあるのは、紀元前に本山の寺院が2度壊されて、今も再建不可能であることを忘れないため、りんごと蜂蜜には豊作祈願と甘く楽しい年を願う気持ちが込められています。御頭付きの魚は、年の初めを意味します(ただし、刺身は厳格には🆖です)。

 

毎年所属する教会でお祈りをするのですが、今年はオンラインです。

 

前の人がCantorというセレモニーをリードする人です。彼はまるでオペラ歌手のような声の持ち主です。後ろに見える人がRabbi(ユダヤ教の指導者)です。Rabbiはたいていの場合博士号を持つ学者でもあり、宗教家というよりも山岳ガイドのような役割です。説教ではなく、聖書の世界と現代をつなぎ私たちがそれぞれの考えを持つように導いでくれます。

 

 

ユダヤの祈りは参加型です。経文は全てヘブライ語なので、子供たちは幼い頃から普通の学業の上にヘブライ語と経文の意味を習います。

 

ユダヤ教の教育は、覚えるのではディスカッションでヘブライ語をどのように英語に読み解いていくかを学習するのです。この教育のおかげで論理立てた考え方を学ぶため、ユダヤ人には学者、医者、法律家が多いのではないかと思います。

 

ユダヤのお正月は年と年の間のリセット期間。お祝いであると同時に悔い改めて神様に許しを乞う期間です。お正月のシメの25時間は、 Yom Kippurという、水さえ飲まない絶食日があり、その日に、行い次第で神様がコワーイ決断をするからです。

 

 Yom Kippurはユダヤのお正月のハイライトです。 Yom Kippurを無事に終えるという意味は、神様に許され次の年を生きることを許されたことを意味します。毎年1回、自分の罪や失敗だけでなく、恐怖、恨み、妬みも清算します。だから新しい年をポジティブな気持ちで始められるというわけです。

 

Yom Kippurの前には、Tashlikhというとてもユニークな儀式があります。明日はこのことを書きますね。