日本のレシピを見ていて非常に違和感があるのが「めんつゆ」、「コンソメ」あるいは「だしの素」です。皆さんはこれらの調味料に一体何が入っているかご存知でしょうか?

 

これらの加工調味料に共通して入っているのが、塩以外には、砂糖、果糖ブドウ糖液、果糖などの糖分、酵母エキスに代表される〇〇エキスというプリン体、アミノ酸などと書いてあるグルタミン酸ナトリウム(MSG)です。

 

うまみ大好きの日本人のグルタミン酸消費量は、世界でも突出しています。1990年代の調べでは、イギリス人は1日に平均0.6gであるのに比べ、日本人は1日に平均1.2−1.7g、多い人は1日平均10gものグルタミン酸を摂取しているそうです。グルタミン酸は、スナック菓子、インスタントラーメン、レトルト食品にたっぷり使われています。

 

健康志向の方はおそらく添加物を避けて「無添加」、「オーガニック」を選ばれるのでしょうが、無添加表示だからと言って、天然素材を意味しているのではないのです。

 

日本土産にいただいた、「国産・無添加」で人気の高い、アルミ袋入りだしパックを例にお話ししましょう。デパ地下でも売っているアレです。原材料名には、「鰹節、焼きあご、うるめいわし節、こんぶ」などの天然のものと共に、「煮干しエキスパウダー、でんぷん分解物、酵母エキス、発酵調味料」などの加工調味料が名を連ねます。どんな味かと袋を破って中身を舐めた途端、強烈なうまみを感じました。日本のスナック菓子の味です。天然素材では絶対に出せません。

 

無添加とは、食品添加物として定められているものを加えていないという意味です。

 

違う言い方をすると、食材を加工・抽出、さらに濃縮して作ったプリン体調味料やアミノ酸調味料(グルタミン酸)は「食品」なので「無添加」という表示が使えるのです。プリン体とグルタミン酸の摂取過剰は、肝臓での尿酸生産を加速して、高血圧、脂肪肝、痛風などの慢性病のリスクを上げます。しかし問題はそれだけではありません。

 

幼い頃からカップラーメンやインスタント・レトルト食品、加工食品、スナック菓子で強烈なうまみに慣れてしまった人は、味の閾値が狭くなって、天然のだしや素材本来の味が楽しめなくなっています

 

だから何を調理するにも「うまみ爆弾」が入った「めんつゆ」、「コンソメ」、「だしの素」が必要なのです。

 

最近では白いご飯は味がないからご飯給食が苦手とか、水は味がないから飲めないとかという子供が増えているそうです。そのままうまみ爆弾を食べ続けると、どんどん濃い味好きが加速して、将来高血圧、動脈硬化、脂質異常になるリスクが高まっていきます。

 

ご自分の健康と子供達の将来を守るためは、天然だしでの「味覚のリハビリ」をお勧めします。味覚のリハビリで味覚の閾値が広がると、より多くの刺激が脳に伝わるので、満足度が上がり、過食も防げます。単調な味のスナック菓子やインスタント食品に手が伸びなくなります。

 

天然だしとは、和食の場合は昆布、鰹節、干し椎茸など、洋食の場合は鶏ガラ、豚骨、牛スネ肉と野菜類のように本物の食材で作られただしです。市販だしのうまみが口に入れた途端感じるパンチのある味であるのに対し、天然だしはうまみ成分が絡み合って作る、ふっくらと余韻のある味です。

 

だしをとるのは面倒!と思いがちですが、意外と簡単な方法があります。例えば我が家では、粉末の昆布、干し椎茸、生姜などを常温で、鰹節の粉は冷凍で常備しています。

 

鰹節、昆布、干し椎茸の粉を、大さじ2、小さじ1、小さじ1/2程度を500mlの湯に加え、弱火で1分、火を止めて数分程度置くと美味しいだしができます。粉が気になる場合は茶腰でこします。そのだしと醤油とみりんを、4:1:1の割合で混ぜると自家製のめんつゆができます。

 

 

クズ野菜や鶏ガラなどをフリーザーに貯めて、時間のある時に冷凍のまま水に入れ、1時間程度にるとコンソメができます。

 

 

まずは気付くこと。それから実行です。みんなでもっと元気になりましょう。