もみじ狩りがてら、嵯峨の二尊院にお参りしました。
(あの世へ送る)「釈迦如来」と(あの世に迎える)「阿弥陀如来」の二尊のある本堂をお参りして、秋色のお庭をぼーっと見ていると、一緒に行った学芸員の友人が、「あの法然像、ホンモノかな〜?」と。
二尊像の横に、お坊さんの肖像画がかかっていたけど、暗かったので、ちゃんと見てなかった。
もう一度戻って、ペンライトで照らしてみました(お寺の人の許可取得済)。
重要文化財の法然上人像(別名「足曳御影(あしびきのみえい)」・鎌倉時代 13世紀)でした。
説明書きをよく読むと、この絵には、こんなストーリーがあるようです。
関白藤原兼実が、法然上人を崇敬のあまり、肖像画を欲しいと言ったが、法然は謙遜して許さなかった。
そこで、兼実仕方なく(?)、沐浴後くつろいでいる法然を御簾の影から絵師に描かせた。
後日、法然がその絵を見ると、足を投げ出してくつろいでいる姿だった。
恥ずかしがった法然が、「南無阿弥陀仏」と唱えると、絵の中の足がスッと引っ込んで、座っている姿になった。
つまり法然ファンにお風呂あがりを隠し撮りされた姿だそうです笑。
お風呂でさっぱりして放心している表情だと思って見直すと、(失礼ながら)かわいらしく思えてきました
しかし、参拝者は誰も気づいていなかったけど、京都国立博物館だったら、絶対ガラスケース越しにしか見られない逸品。
持つべきものは、良いものをたくさん見ている友人だなあと思いました。
仏画をペンライトで照らしてみるのも、プロっぽくて、惚れました
↑本人も絶対カッコイイと思ってる