独身でも子育てに関われる?――子育てシェアについて調べてみた
私は以前から、シングルマザー向けのシェアハウスを調べたり、コレクティブハウスを見学したりしてきました。見学したコレクティブハウスには、共有スペースの一角に子どもたちが遊べる場所がありました。子どもたちは、大人の目が届く範囲で遊んでいる。近くには学校があり、住人同士の家庭にも交流があるそうです。こういう場所なら、みんなで子育てすることができるのかもしれない。そして私も、そこに住む大人の一人として、少しは関われるのかもしれない。そんなことを考えました。もちろん、もし万が一、自分が子育てをすることになったら、という想像もありました。先日、公営住宅の一部につくられた「シングルマザー専用シェアハウス」の記事も読みました。それぞれの親子が暮らす部屋とは別に、みんなで使える共有リビングがあり、入居者同士が生活や育児を助け合いながら暮らす住宅だそうです。しかも、ずっと満室が続いているらしい。この記事を見て、以前から気になっていた「子育てシェア」について、あらためて調べてみたくなりました。子育てをシェアする暮らしシングルマザー向けのシェアハウスといっても、実際の形はいろいろあるようです。そのシェアハウスは、親子ごとに1LDKなどの独立した住戸があり、そのうえで共有リビングを使える造りになっています。完全に生活を一つにするのではなく、一人になれる部屋もある。でも、ドアを開ければ、同じように子育てをしている人がいる。このくらいの距離感は、ちょっといいなと思いました。一方、民間には、シングルマザー親子と単身女性が同じ建物に暮らす、多世代型のシェアハウスもあります。平日の夕食や、保育園のお迎え、夜までの子どもの見守りが付いた住宅もあるそうです。子どもたちは、学校や保育園から帰ってきても、一緒に遊ぶ子や、話を聞いてくれる大人がいる。母親にとっても、毎日の夕食づくりやお迎えから少し解放され、大人同士で話せる時間が生まれます。子育てをシェアするというのは、誰かに丸ごと子どもを預けることだけではないんですよね。一緒にご飯を食べる。子どもの宿題を見る。少し遊び相手になる。お迎えを手伝う。親が帰ってくるまで見守る。そんな日常の小さな役割を、何人かの大人で分けていく暮らしなのだと思います。「みんなで子育て」と言うと、具体的には何をするのだろう、という感じもします。私自身、何がいちばん向いているのかは、まだ分かりません。ただ、同じ場所に同居人として暮らしながら、勉強を少し見たり、一緒に遊んだり、ときにはお迎えを手伝ったり。そんな部分的な関わりなら、自分にもできることがあるのかもしれないと思います。独身でも参加できるのだろうか私は現在独身で、子どもはいません。これまで、自分の家庭を持って、その中で子どもと関わりたいという気持ちを持ってきました。その思いがなくなったわけではありません。ただ、家庭という形がまだ叶っていないからといって、子どもに関わることをずっと保留にしなくてもいいのではないか。最近は、そんなことも考えるようになりました。とはいえ、独身で子育て経験もない人が、子育てに参加する余地なんてあるのだろうか。今回調べてみると、意外と入口はありました。例えば、地域のファミリー・サポート・センター。子育ての手助けをしてほしい人と、手伝いたい人を地域でつなぐ制度です。私は自宅で子どもを預かることはできないので、そこがネックだと思っていました。ところが、案内を見ると、提供会員の自宅だけでなく、子育て支援施設や依頼者の家での預かり、保護者と一緒に行う見守りも可能と書かれていました。保育園や学校への送迎、依頼者宅での見守り、子どもとの外遊びなど、自宅を使わなくてもできる活動があるようです。これは、思っていたよりも現実的かもしれないと思いました。ほかにも、子ども食堂、学習支援、読み聞かせ、児童英語、地域の子ども向けイベントなど、子どもと関わる方法はいろいろあります。いきなり一対一で子どもを預かるのが不安なら、複数の大人がいる場所から始めることもできます。助ける側にも、受け取るものがある子育て支援というと、親子が「助けられる側」で、参加する大人が「助ける側」のように見えます。でも、本当にそれだけなのだろうかと思います。親にとっては、送迎や見守りをしてくれる人がいることで、仕事や通院、休息のための時間ができます。子どもにとっては、親以外にも、自分を気にかけてくれる大人がいる。そして、参加する大人にとっても、地域の中に役割ができたり、普段は出会わない世代とつながったり、自分の経験を誰かのために使えたりする。独身で一人暮らしをしていると、普通に生活しているだけでは、子どもと出会うことはほとんどありません。近所にはたくさん子どもがいるはずなのに、生活の動線がまったく違うんですよね。だから私にとっても、子どもに関わることは「一方的に支援する」というより、今まで接点のなかった地域や世代とつながることなのかもしれません。善意だけでは続かないもちろん、子どもにかかわりたいという気持ちだけで、何でもできるわけではありません。子どもの安全が最優先ですし、親の育児方針や家庭の事情、プライバシーも尊重する必要があります。「子どもに関わりたい大人の気持ち」を満たすために、子どもがいるわけではない。これは忘れてはいけないことだと思います。また、善意で始めたとしても、毎回当然のように頼まれたり、断りにくくなったりすれば、長くは続きません。私の場合、どこからどこまでが自分の責任なのかが曖昧になっていなければいいのだと思います。共有スペースで、ほかの大人もいる中で子どもと遊ぶのか。「今日は30分見ていて」と頼まれて、その時間は自分が預かるのか。事前に約束して、お迎えを担当するのか。そこが分かっていれば、できることはある。そして、自分の都合が悪いときには断れる関係であること。もし困ったことが起きたとき、誰にも相談できない状態にならないことも大事です。自然に助け合うことと、責任が曖昧になることは、同じではないんですよね。どこまで手伝うのか。無償なのか有償なのか。困ったときは誰に相談するのか。研修や保険はあるのか。そういった仕組みが整っていることも、双方が安心して関係を続けるために必要なのだと思います。子供のいる家庭を目指すか、まったく関わらないか。その二つだけではなかったんですね。まずは、複数の大人がいる活動に参加してみて、自分にはどんな関わり方や距離感が合うのかを知るところからでもいいのかもしれません。家庭という形が整ってからではなく、今の自分にできる形で。子どもと関わる人生を、少しずつ始めることもできるのかなと思っています。参考にした情報・群馬県「シングルマザー専用シェアハウス」・こども家庭庁「ファミリー・サポート・センター」・ちばしファミリー・サポート・センター「入会のてびき」(2026年8月改定)・シングルズキッズ株式会社