クラムボンは笑ったよ? | 伊藤 来のカヤックブログ ~波にゆられて旬を食す~

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大自然の水先案内人 伊藤来(イトウ キタル)が、
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これなーんだ?




地方よっては、
アオナシ、イワナシ、オオズミ、マメナシなど
呼び方が、変わります。
※正式には、別種らしい…。

そう「ヤマナシ」です。

今の時期、うちの山には、
この実が、沢山落ちています。
名前の通り「梨🍐」の様な見ためなので、

一口がじっと噛むと、
食べれないことは無いですが、ジブイです。

この大きさで、軸もしっかりあるので、
食べれる部分が小さいですが、

シロップ漬けやコンポートにすると、
カリンみたいに、渋みが和らいでシロップに香りが移って、食べられます。

でも、私は収穫しません。
実は、このヤマナシ、
落ちて完熟すると、梨やリンゴの様な、
甘い独特の香りで、野生の獣たちが喜んで食べます。

国語の教科書にも出てくる
東北の作家「宮沢賢治」の短編童話『やまなし』でも、
有名ですよね。

『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳はねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
と、2匹のカニが楽しそうに話をしていると、
いきなり、次には

 『クラムボンは死んだよ。』
『クラムボンは殺されたよ。』
『クラムボンは死んでしまったよ………。』
と続きます。

幼心に、展開の速さにギョッとした記憶があります。

宮沢賢治は、この『やまなし』で、
弱肉強食や食物連鎖の強いものが勝ちという評価ではなく
「自己犠牲」や「やまなしのように、周りに 幸せを与える生き方が大切である」よく言われます。

確かにそう見えなくも無いですが、
「やまなし」の種を増やす生存戦略でもあるんですよね。
完熟になるまで(種が生育しきるまで)は、
渋みを出して食べられない様にして、

完熟したら獣に食べられて、遠くに運んでもらって、
種として排出してもらって、親の木と競争し合わないようにする。

それこそ、「弱肉強食や食物連鎖」のさらに上をいく
ヤマナシの強さであり、
宮沢賢治の言いたかったことでは無いのかなと

私は思います。