山のあなた | 伊藤 来のカヤックブログ ~波にゆられて旬を食す~

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大自然の水先案内人 伊藤来(イトウ キタル)が、
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山のあなた カール・ブッセ
     上田敏訳『海潮音』より
山のあなたの空遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。
噫(ああ)、われひとと尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。


最近、ドラマで話題のドイツ詩人 カール・ブッセの「山のあなた」です。
実は、本国ドイツではあまり評価の高い詩ではないそうです。

海を渡って山田敏さんの日本語訳になると響きが心に入ってきます。

私の場合 岐阜の中津川の霊峰の恵那山をみて育ってきたので、
恵那山は山信仰とも言えるような特別な存在です。
きっと、日本という山国で生まれた人の多くは、心の中にそういった山をもっていて、
その山の彼方には確かに何か心の休まる宿のような暖かいものを感じます。
それがこの詩を心に印象づけるのではないでしょうか。
そういった思いが人を山に登ることに駆り立てるのかもしれませんね。

そういえば ちょうど去年の今頃、
東京の仕事を辞めて帰ってきた時に眺めた恵那山は何も変わらず雄大にそびえていました。
それを見て、はじめて帰ってきたのだと 心・体で感じたのを強く覚えています。 

『山のあなたに なほ遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。』

恵那山 雪雲



今日の恵那山は・・・雪雲で見えませんね。
寒そうっ、今はあそこには幸いはありませんね・・・・ 

今日 初雪の降った中津川は、庭の焚き火に幸を感じます。
皆様暖かくしてお過ごしください。


Über den Bergen
                Karl Busse
Über den Bergen weit zu wandern
Sagen die Leute, wohnt das Glück.
Ach, und ich ging im Schwarme der andern,
kam mit verweinten Augen zurück.
Über den Bergen weti weti drüben,
Sagen die Leute, wohnt das Glück.