兄は様々な検査を終えて、投薬が開始され
退院しました。

お世話になっている主治医の言葉がとても
温かい様で、

『この病は治療法が確立しています。
だからこの病気は大したこと無いんです。
大丈夫ですから』
とおっしゃっていただいたようです。
言葉って本当に人を安心させたり幸せな気持ちを運んで来てくれますね。

とても安心した様子で、毎日、新薬を飲んでいるとの事です。
母のように何年も病名が分からなかった事に比べるとこの早さに驚きます。

そんな日々の中、
父にも兄の白血病の件を伝えました。 
ずっと黙ってるわけにもいきません。

週末にいつも散歩がてら行くヤナカ珈琲店で。
2人きりで行きました。

私『お兄ちゃん、健康診断の数値でひっかかって今検査入院してるんだけど白血病なんだって』
出来るだけ軽く言いました。
声は変だったと思います。

驚いた様子の父。
しばらく黙ったあと、少し笑いながらこう言いました。

父『お母さんよっぽど寂しいのかなぁ。だったら俺を誘えばいいのに』
『代わってやりたいなぁ。でもこればっかりはなぁ。。』

最初どういうい意味か分かりませんでしたが、
意味がわかって一緒に笑い合いました照れ

『お母さん、一人暮らしした事ないから誰でもいいから話し相手欲しいのかもね!』
なんて言いながら。

父は自分たちの力ではどうしようも無いことを
悩んだり、嘆いたり、後悔したり、いつまでも話したりしません。

毎日毎日、誠実にやるべき事をやり、家族の面倒を見てきました。

私とは対照的な父。

それでもやっぱりダメージが大きいだろうからと気を遣っていかないと、と思いながら帰宅。

夕方になってちょっと難しい顔をしていたので、

私『父さん、どうした?大丈夫?』

父『アスパラガスはやっぱりバター焼きが良いよなぁ?』

とダンボールを抱えて言ってきました。

心配していた自分に
吹き出してしまいました。

北海道の友人3人からそれぞれグリーンアスパラガスが送られてきておいしいうちに食べよう!と話し合っていたのです。

なにか起こるとジタバタしてしまい
考えすぎて眠れなくなってしまう私と、
目の前の事に集中し今を生きている父は
本当に親子だけど全然違うなぁと思うのでした。