今回は私の夫の話です。
出会った時からとても優しい性格をしています。
純粋で子供が好きで、阪神ファンです
職場が同じだったので一緒に仕事をした事があるので分かるのですが、年下からとても慕われていて何より努力家です。
そんな夫の事が、私の母も大好きでした
夫も母を慕っていました。
2人は同じ4月生まれ。誕生日は1日違いです。
東京で一緒に住み始めてからは、母もよく体調を崩したのですが、元々夫も免疫が弱くアレルギー体質。
仕事も忙しいので過労で疲れて寝込んだり、ワクチンの副反応でダウンしたりしていました。
そういう場面では、母はなんだか根拠の無いフレーズを言って夫と共同戦線を組んでいました。
母
「4月の春生まれは敏感で優しいからお互い体が弱いんだもんね」
夫
「そうです、スーさん(母)のいうとおりです!」
母
「とっても敏感なんだもんね!」
具合悪くなる度、いつもこんな会話でした。
そして、くだらないことで夫婦喧嘩をしているのを聞けば、
母
「かっちゃん(夫のこと)負けるな!がんばれ!言い返せ!」
夫
「ありがとうございます!でも負けそうなので助けてください」
という会話です。
波長が合った事もあり、2人で話をするのが本当に楽しそうでした。いつも笑い合っていました。
母が亡くなった日の夜、夫は泣きながら病院はどうしてこんなに面会を制限していたんだ、亡くなってからじゃ無くて、話が出来る時に会いたかったのに!!と自分の膝を叩きながら病院への怒りを抑えきれずにいました。
そして病院から母が使っていた荷物を整理していた時、小さなピンクのタングルティーザーというブラシが出てきました。
髪をとかすと、頭皮が刺激されて気持ちいい物です。
母は入院中、気持ちいい、スッキリする、
といってシャンプー後に
ミントのエッセンシャルオイルと一緒に頭皮マッサージをしていました。
自宅でも母がそれをよく使っているのを夫も知っていました。
そのブラシを見て夫が、
スーさんのブラシ、僕貰ってもいいかな。
と言うので
別にいいよー。と言いました。
日々、私や父が母の思い出話をする時、夫はあまり口を挟まずにニコニコと聞いています。
そんな事があったんだねぇ、知らなかった!などと相槌をうちながら。
ある朝、洗面所でピンクのブラシを使っている夫に気付きました。
初七日の頃だったかもしれませんが、真っ赤な目をして泣くのを堪えながらブラシで髪の毛をとかしていました。
それからもずっと毎朝、毎朝、出張の時も持参して夫はスーさんのピンクのブラシを使っています。
言葉には出さないけれど、夫は毎日母と話をしてるのかな、どんな話をしてるのかな、
そんな事を思います。