ニーハオ(漢字変換できまへん)

 

オラがまだ既婚者であった頃。

当時の職場に気の合う女性がいた。

年齢は確かオラより2~3つ下。

名前はNaokoさんという。

知的で美人。いわゆる才色兼備って女性だ。

 

時々交わす言葉の端々に、惹かれ合うものを感じていた。

だが、互いに既婚者どうし。

私的なつながりは一切なかった。

 

オラとしては、たまにお茶したり程度はあってもいいかな

と思っていた。

だが彼女はそれを望まなかった。

いつかどこかで引き返せなくなることを恐れているから。

そういうニュアンスの言葉に、彼女の気持ちを感じた。

 

唯一の例外、それは年賀状のやりとりだった。

 

前にも書いたが、オラが台湾に飛んだのは昨冬12月。

今年の正月は台湾の台南で過ごした。

大晦日と元旦、どちらも仕事だったんだわ。

 

1月後半。

台南から帰国したとき、彼女からの賀状がポストにあった。

 

台南への渡航は賀状の投函受付前。

だから賀状を出せなかったという内容の寒中見舞いを送った。

 

今回の台中渡航中、二度絵葉書を送った。

いわゆるエアメールで。

コロナの影響で帰国が伸びることを書き添えた。

 

昨日、彼女から封書が届いた。

「エアメールをありがとう。もう帰国しましたか?」

という文面に加え、

「時間があるときに、イニシャル入りのマスクを手作りしました。

よかったら使ってください」

と書いてあった。

 

これがそのマスクだ

 

内側にガーゼで包んだカット綿をあてがい、早速使い始めた。

 

イニシャルは丁寧に刺繍してある。

どんな思いで手作りしてくれたのだろうと想像すれば、胸が

熱くなってくる。

 

そして同時に、猛烈な人恋しさがこみ上げてきた。

 

「Naokoさん、ありがとう。

あらためて感じます。

遅すぎた出会いって、あるんですよね…

いつかどこかで、きっとまた会いましょう。

そう信じて、日々強く生きていきます    草々」