2005年になると、多方面的にサービス終了の足音が聞こえてきた。
opendiceの接続人数が100人に届くことも少なくなった。
これが少数精鋭ならばまだいいのだが、そうではなかった。
かつて温泉でその名をとどろかせていた巻き巻き隊の遺産も
もはや激しいせり上げのみ。ビッドは2人分で考えなければ
いけないのに、肝心の副官はむしろ役に立たないことが多くなった。
「サクラ大戦」シリーズも先にリリースしたリメイク版が一部で
不評を買った程度ならまだしも、外伝がキャラクタの人気に
おんぶしただけで内容はモンティ・パイソン並のナンセンスギャグが
滑りまくるとんだ迷作だったこともあったのか、ナンバリングタイトルの
売り上げは期待外れに終わる。この時点でPS2参入時に「あれも出すぞ、
これも出すぞ」と大々的に発表したプロジェクトがいくつ動いていたかは
知るよしもないが、わかっているのはここまでに発売されていなかった物は
全て中止に追い込まれたと言うことだ。コンテンツが求心力を
失っていることが明らかになっている以上、テコ入れもできない。
そして。
一時期はサードパーティにも展開すると大風呂敷を広げていたはずの
opendiceサービスは、結局他社からソフトが出ることのないまま、
2005年11月末を以て終了した。
入れ替わるようにPCのみ接続という形で後継のネットワークサービスを
始めていたが、結局の所はMMORPGの課金窓口ぐらいの機能しか
残らなくなってしまった。

 

所詮データである。オンラインゲームはサービスが終了したら全て
消える。といいたいところかもしれないが、首尾良く行けばそこで
知り合った人脈が後に残る。加えてopendiceはマッチングサービス
だったわけだから桁外れのゲーム数を打った経験が残る(はず。)
事実、サクラ大戦オンラインで全キャラクタの信頼度を上限まで
上げきるには、手練の場合は他のゲームとの関係もあるとはいえ
必殺麻雀を1,000回は打つ必要があった。想像できるだろうか?
フリー雀荘で1,000ゲーム打つのにどれほどの時間と資金が必要なのか。
しかも、必殺麻雀だ。繰り返しになるが、必殺麻雀はピンチになった時に
キャラクタが助けてくれるゲーム「ではない。」プレイヤ自身が
腕を磨いていないとキャラクタの仕事が有効に機能しないどころか
迂闊に低レベルの積み込み技を撃ったためにオポーネントには
ロンキャンセル!などの強力な必殺技を撃てない事がばれるなどの面が
あった。今や全自動雀卓に点数計算機能までついてさらには配牌まで
自動化する卓があってほとんど麻雀ゲームのノリでフリー雀荘で
打てるとは言っても、点数計算を自分で出来た方が有利に
戦えるのは事実。必殺麻雀ではさらに必殺技を撃つか、撃たざるかの
判断まで絡むのだ。こんなゲームをやった後で普通の麻雀を打つと
どういう印象を受けるのか。

余計なことを考えなくていい麻雀ってこんなに楽なのね。

 

閑話休題。
「サクラ大戦オンラインはそういう物」と免罪符を振りかざして自分勝手な
主張を無理矢理通して、刃向かう者を撃退してきた気になっていた常連に
とって、opendiceの終了はそれまでの狼藉の代償を支払う裁きの時となった。

 

常連の常識は世間の非常識だったわけだから。

 

信頼度上げの作業で一番事故が起きにくかったのはポーカーだった。だから
実態を隠して他のサービスで「ポーカーを5,000ゲームやった」などと言えば
界隈からはお、すげえ!と一度は言われるかもしれない。が、1ゲームやると
あっさりぼろが出る。駆け引きが出来ないのはすぐに明らかになるだろうし、
下手をすると役の強弱を知らなかったり、ビッドとフォールドの手順を
確認しようとするかもしれない。
他のゲームでも同様。実情を知る元手練が既に居れば「あー、サクラ大戦
オンラインでの経験試合数なんて当てにならないね。実力で示せ。」と
一蹴されて初心者扱いされるのがオチ。そして、数千ゲーム打ったはずなのに
初心者扱いが妥当だという自分の実力に愕然とする。
また、たとえ集団で他のサービスのアカウントを一斉に取ったとしても、
その関係は長続きしなかった。