3月に「ぐるぐる温泉3」が発売されると、手練の関心は急速に
薄れてゆく。求めているのはマッチングサービスであり、
ゲームキャラクタと親密になることではないのだ。
同じゲームがアカウントや認証を共有する「ぐるぐる温泉」
シリーズで打てるのであれば、必然的にそちらで打つ。
順位操作が前提となっていたり、プレイ環境が逝っちゃって
いるような状況ではない。ゲームの切り替えだって簡単だ。
何よりうれしい点が2つある。
まず一つ。

 

サクラ大戦オンラインとの相互乗り入れは

大浴場(チャットルーム)のみ

 

実は、大浴場はサクラ大戦オンラインのアバターが唯一キャラのパネルを
背負わない施設であった。
発売前にはむしろデメリットと考えられていたし、「温泉側プレイヤが
背負うパネルをどーにかするだけで対局部屋を共有できるじゃないか」と
つっこみたいところだったが、3ヶ月経った今となっては手練にとって
必須の条件となる。つまり、サクラ大戦オンラインのプレイ環境を
ぶちこわしたテロリストは、ぐるぐる温泉の対局部屋に入ることができない。
勿論、ぐるぐる温泉を別に買っていたら話は別だし、事実後で述べる事情から
常連も温泉を買わなければならなかった。もっとも、温泉に常連の賛同者なんて
いなかったから、すぐに相手にされなくなったわけだが。

そしてもう一つ。

 

ぐるぐる温泉3でナポレオンが復活した

 

と、いうのも。「ぐるぐる温泉」で人気のあったカードゲームの
ナポレオンは「ぐるぐる温泉2」には収録されなかった。
そして手練の中には「隠しコマンドの入力でナポレオンができる」
というデマに振り回されて思わず「サクラ大戦オンライン」に
手を出してしまった者がいたのだ。本名のゲームがなければこんな
シリーズに関心のないキャラ物ゲーム、続ける理由がない。
もはや手練にとっては必殺麻雀が全てとなる。それ以外のゲームを打つのは
大会か、それとも「今日は他のゲームでもいっぱい遊ぶんだ~」と
キャラクタから頼まれた時と、そういう手練が相手を探しているで
あろう時だけである。もっとも、これで必殺麻雀が当初考えられていた
ような生ぬるいゲームではなかったことが明らかになるが、
それはまた、別の話。
ある意味それは失われたプレイ環境を取り戻す、最後のチャンスだったのかも
しれない。サクラ大戦に興味のない手練が離れていってしまったのは
仕方なかったとしても、常連の中に手練の考えに寄り添う者が出始めた。
つまり、信頼度上げや指令達成のための作業ではない、手練が好む
本物のカードゲームをやってみて、その面白さに気づいたわけである。
さらにリコール騒動にもかかわらず、まだバグが残っていた-名刺の
整理をサクラ大戦オンラインでやると、情報がずれてしまう。
交換してもこれであるから、結局カードゲームに興味がない常連でも、
名刺の整理のためだけにぐるぐる温泉を用意する必要があった。
-もっとも、手練寄りの考え方になるといつの間にか温泉の方が通常の
ゲームをするためのソフトになってしまったのだが。

 

そうこうしているうちに1年あまりが経過した。
この間、目立った動きはなかったが1年も経つと、手練でさえ全キャラクタの
信頼度が上限に到達してしまった-次は、どうする?
生ぬるいゲームではなかったとはいえ、必殺麻雀に長いこと打ちたいという
魅力は今ひとつ足りなかった。そして、打ち手の技量にも大きく左右されることも。
「もうこっちでやることはやった」と一人の手練がプレーをやめる。すると
ほんの少しだけ、「必殺技は使ってナンボ」の常連に当たる確率が上がる。
一人二人ならたいした影響はなかったかもしれないが、これが数十人になると
一人の引退によって空気を読まない常連と当たる確率が上がったことで、
嫌気がさした別の手練の引退の引き金となる。
ついに、最後の牙城だった必殺麻雀すらプレイ環境の崩壊が始まった。
ましてや、信頼度上げという作業をしていた常連の場合はとうの昔に上限に
到達しているわけである。言うまでもないだろうが、こうなると
需要がない以上まともに卓が立たなくなってくる。
これだけの状況になってもなお、生粋の常連は反省することをしなかった。
そればかりか、自分たちの意見に反発する相手に自分勝手で滅茶苦茶な
理論を振りかざした後に決め台詞、

 

「サクラ大戦オンラインはそういう物です。」

 

で黙らせた-たとえそれが、彼らに対するチート行為の告発だったとしても!
効果は覿面だ、相手は議論を打ち切った。

 

勿論、納得したからではない。

呆れて議論する意味がないと判断されたのだ。

 

つきあってくれる相手が居ない上にのれんに腕押しと化した信頼度上げの作業が
楽しいわけがない。いつしか常連は待ち合わせの為のロビーで長々とチャットする
という新しい遊びを編み出した。これを見てようやくチートを黙認するかのような
態度すら取ってきたやる気のない運営は警告を発したが、時既に遅し。
常連はopendice公式BBSでおきた待ち合わせロビーにおけるチャットの問題提起でも先の
免罪符を振りかざして、議論は終わった。

 

それ以来、公式BBSでサクラ大戦オンラインの話題が

あがることはなくなった。「来たるべきその日」が来るまで、

常連にはその意味がわからなかっただろう。