件の大会の惨状に触れる前に、サクラ大戦オンラインの特徴を2つ
おさらいしておく必要があるだろう。まず、大会成績について。
どのゲームであっても、1回のセッションごとに評価点がつく。
そして、初めの3回はそのまま加算されるが、4回目以降は3番目の
記録よりも良い評価点をマークすると入れ替わる形になる。
つまり。最初はボコボコに負けてもかまわないが、そのうちに
勝ちを求められる。そしていつしか「派手な勝ち」「ど派手に決めろ」と
だんだんハードルが上がっていく形になる。逆に言えばその評価体系から、
負ける時はどんな酷い負け方をしても時間が無駄になるだけで最終成績には
全く影響しないし、2勝2敗よりも3勝97敗の方が評価されるわけである。
(手練と常連の力量差を考えるとこの大会の場合は微妙なところだが)

もう一つ、花札のルールについても触れておかねばなるまい。
少し遠回りをする。まず、花あわせの場合。3人に7枚の手札を
配り、場に6枚撒いた状態から始める。山札は21枚。手札が
1枚使われるごとに山札も1枚めくられる。途中で打ち切ることは
ないのでビキが最後の手札を打つと山札も底をつく。つまり、
全ての札が必ず使われるわけである。
次、八八。途中の手続きははしょるが、これも3人に7枚の手札が
配られて、場に6枚撒かれている状態から実際のプレイが始まる。
ということはやはり全ての札が使われるとは、限らない。
どういうことか。出来役があるからだ。途中で出来役が完成したら、
そこで打ち切るか、出来役を下げて続けるかという選択になるが、
大抵打ち切る。何しろ8種類しかない上に、そのうちの3つは最後まで
プレーして初めて成立する役なのだから。「下げ」自体はいつでも
取り消せるが、その場合は獲得した点数を半分返すことになる。
当然打ち切られると残りの山札は使われることはない。これを死札という。

そして、こいこい。二人に8枚ずつ配り、場に8枚。すると24枚の山札が
出来るわけだが、手札は全部で16枚しかない。ということは、山札の
下から8枚は必ず死札になるわけだ。
さて、何かの弾みで親子ともども8枚の手札を使い切るとどうなるか。
役ができた後、こいこいをしたまでは良かったがその後役を育てるのに
失敗してこうなったのなら、最後のこいこいがなかったことになる場合も
あるが、全てパアになって引き分けとすることもある。
あるいは親権・つかずとして点数が少し移動する場合もある。が、
サクラ大戦オンラインの場合は風変わりな選択があった。

 

延長戦と称して、死札のめくりあいに入ることができるのだ。

 

開発陣としては「どうだ、面白いルールを考えついただろう!」と言いたかった
かもしれないが、他のゲームでこんな選択が出来る物は、ない。ということは、
まあ、そういうことだ。常連の印象が与えた影響もあるのかもしれない。