本ブロクをお開きいただきまして、本当にありがとうございます。
青森県青森生まれ、八戸在住の独立系ファイナンシャルプランナーのヒデです。
今回は、本年(2023年)6月30日に出た『わが国税制の現状と課題』by税制調査会について書こうと思ったんですが…。
先ずはとりあえず表紙だけお見せします。
※内閣府のHPよりダウンロード可能です(PDFです)。
これを知ったきっかけは、某有名夕刊紙が、これについて7/14(金)に”サラリーマン増税”とかをネット記事で書いていたので知りました。
なので「ちょうど3連休だし、読んでみっか~」と思い、さらに思惑としては、今後の制度改正に関わるだろうから、「CFP受検者要チェック!」とかで本ブログで書こうと思ったんです。
しかし、いざ読んでみると、なんとぺージ数261ページ。
もはや1冊の本です。
CFP受検者の皆さんは、これ読んでいる時間があったら、過去問一つでも多く解くべきだ―思い直しました💦。
税制調査会とは、同じく内閣府HPからダウンロードした『税制調査会に関する政令の規定』によると、『内閣総理大臣の諮問に応じて租税制度に関する基本的事項を調査審議する』ところだそうです。
メンバーには、あのモーサテにご出演されている方もいらっしゃいましたね。
一応、全部読んでみました。
正直、肩が凝りましたけど、(色んな意味で)おもしろかったです。
第一部が『第1部 基本的考え方と経済社会の構造変化』でして、89ページにわたって、税の役割やら歴史やらをわかりやすく記載されています。
検見法から定免法とか、夜警国家!ってな言葉にまで触れてましたね。
なんかで習ったような記憶がございます(FPの試験ではでません💦)。
そして、第二部が『個別税目の現状と課題』。
90ページから261ページまでございます。
ここで記載されていることに関して、某夕刊紙では”サラリーマン増税”と定義しているのでしょう。
結論から書くと、書き方としては『税制上も対応を検討する必要が生じてきています。』などなどですから、そんなすぐに実現するとは思えません。
ですが、今後、議論のまとになること間違いなさそうです(そういうふうに首相に答申しちゃっているから)。
では、なんについて今後、検討・議論した方がいいと書かれているかと書けば、
・給与所得控除(95ページ)
・退職所得控除(96ページ)
・公的年金控除(101ページ)
・配偶者控除関連(108ページ)
・生命保険料控除(110ページ)
・いわゆる住宅ローン控除(121ページ)
・小規模宅地等の特例(126ページ)
・相続税(131ページ)
・相続税と贈与税の関係(132ページ)
・印紙税(148ページ。なんかデジタル印紙税とかって…)
・消費税リファンド方式(162ページ。出国の時に払わせるってヤツですよね)
・消費税、国境を越えた役務提供云々(167ページ)
・スタートアップへの投資(200ページ)
・マイナンバー関連(243ページ)
・SNS等と活用した租税回避スキーム云々(244ページ)
あと、酒・たばこ税や法人税についても、結構、書かれていました。
ですが、私、酒はあまり飲まないし、タバコは吸わないし、法人化は当面予定はないので、ちゃんと読まなかったので、ピックアップしませんでした(ゴメンナサイ)。
あくまで個人的な所感ですが、この文書書いた人、うまいな~って思いました。
だって、第一部からズラズラ読んで、経緯とか現状を知ってしまったら、なんか、「なんとか控除廃止されてもしょうがないよね~」て思い始めたんです💦
きっと、内閣府か財務省かはわかりませんが、とっても頭がイイ方が、政治家を説得するために書いたんじゃないでしょうか。
おもしろいのは、2ページにこんなことが書かれてるんですね。
別に第1部は興味なかったら、よまなくともいいよ~って書かれてあります。
とっても親切ですね。
ですが、たまーによくわからない言葉をつかってるんですね。
それが「区々」(クク)。
二か所だけですが、こんな使い方をしていました(102ページと108ページです)。
ネットで調べたら、「まちまちでまとまりのないさま」とありました。
恐らく、そんな意味で使っているんでしょうが、他に「とるにたらないさま」という意味もございます。
自分たちで制定した税制を、「とるにたらない」って…。
それはまあ、重箱の隅をつつく話ですから、どうでもいいんです。
これについておもしろかったのは、区々の出典についてです。
だいたいこんな漢字の出典は、中国の歴史書とか思想書にあるんですね(こう見えても私、大学で中国史を専攻していたもので…)。
それで調べてみたら、なんとあの王安石が、『答司馬諫議書』の中で使っていた言葉なんですね!(誰じゃそりゃ~)。
王安石といったら、北宋の政治家で、新法という急進的な政治改革をおこなった人物として有名です。
むむむ…ついに今の日本においても、王安石登場ってことでしょうか?
最期までお読みいただき、本当に感謝です!