本ブロクをお開きいただきまして、本当にありがとうございます。
青森県青森生まれ、八戸在住の独立系ファイナンシャルプランナーのヒデです。
前回のブログでは、私が学生の頃の国民年金保険料については、未納・全免・未加入の期間があると書かせていただきました。
あれはだいぶ昔の話(28年前)ですので、今現在の制度に沿った対応について書かせていただきます。
(国民年金保険料の支払いについては、様々がお考えがあると存じますが、ここではその是非については論じません。何故ならば、20歳になったら、国民年金法にて保険料の納付義務が定められているからです(法第88条、第94条の6))
前回のブログでも少しだけ触れましたが、学生さんは、国年年金保険料の支払の免除申請はできません。
(厳密に書けば、学生さんでも出産されれば、「 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」の申請は可能です。)
20歳の学生さんが利用できるのは、学生納付特例制度です。
これについては…これだけで、とても長ーくなりますので、省略させていただきます。
日本年金機構がこんなパンフを作成されていまして、比較的わかりやすい(4Pだけです)ので、お手数ですが、検索してみてください(PDFファイルです)。
学生納付特例制度とはとにかく 保険料納付の猶予にすぎません。
要するに、納付猶予された期間分は、受け取れる年金(老齢基礎)が減っちゃうということです。
それを避けるために、後から納付できるという制度がございまして、これを追納制度といいます。
追納ができるのは追納が承認された月の前10年以内の分のみです。
しかも、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされちゃいます。
イメージわかないと思いましたので、日本年金機構のHPに掲載されている情報にちょっと手を加えてみました。
全額免除の額というふうに記載していますが、ここではこれが納付猶予された分とご理解ください。(学生さんじゃなく、全額免除された場合も同じということです。)
いずれにしろ、1年前と2年前分については加算額がありません。
この加算額について、どんな計算式で計算しているか調べましたが、不明でした💦(誰がご存じの方がいたら教えてください)。
とどのつまり、学生納付制度を利用した場合、納付猶予が終了した2年以内に追納しちゃった方がいいってなります。
考えられるのは、大学を卒業して会社に就職した時ですね。
この場合、追納した分は社会保険料控除となって、税金がお安くなります。
例えばこんな感じです。
ちょっと見難くてすみません。
追納全部一括納付した場合だと、39万7800円(令和2年度&令和3年分)になります。
あくまでもこの場合ですと、税金が19,890円もお得になったということです。
ですが!社会人一年目で、約40万もの出費はちょっとどころか、かなり厳しいですよね!
加算額を支払わなければなりませんが、10年かけて追納した方が現実的でしょう。
(これでも奨学金の返済があれば、ちょっとキツイかと…)
例えばですが、親が追納分を支払うってのもアリかと思います。
この場合、贈与税の基礎控除110万円以内ですので、贈与税は発生しないかと。
それと、「生計を一している親族」であれば、払った分は社会保険料控除にできるかと。
この2点については、FPが判断できる話ではございませんので、実施される場合は個別具体的に税務署もしくは税理士さんにご相談されることをおすすめします。
(特に生計を一って判断が結構むずい…)
もしくは、学生をやられているお子さんが20歳になられたら、その時点で国民年金保険料を前納してしまうってものアリかと存じます。
これもちょっとまとめてみました。
こちらの割引率は「年率4%で複利計算した額です」と日本年金機構のHPに書かれてましたが、計算したらなんか合わないような…。
いずれにしろ例えば、令和2年度に2年前納したとしたら、38万3210円です。
そうせずに、就職後の1年目に2年分追納(令和2年度&令和3年分)したとしたら、39万7800円。
前納した方が1万4590円お得ということです。
ですが、税金の戻り(1万9890円)も計算すれば、就職後の追納の方がお得(5,300円)になってしまいますが、しかし!!
前納分を親が支払った場合は、親の社会保険料控除になりますので、親の方の納税額が減るってことです。
税金というのは、所得が高いほど税率がUPしていきます。
つまり、所得が高い人(この場合親が)社会保険料控除を増やした方が、トータルで納税額が減るってことですね。
それと、前納の場合、クレカ払いができるんですが、追納ですと何故かできないんですね~。
(前納をクレカ払いされたらポイントをゲットできるということです。ただし、限度額にご注意を!)
あと、お子さんが学生で20歳ということは、国民年金の1号被保険者ということになりますので、国民年金基金に加入可能です(女優の優香さんがCMされているヤツです)。
お子さんが学生さんの内に、この国民年金基金に加入させて、親がその掛金を支払って、社会保険料控除にして税負担を軽減ってこともできるんですが…。
国民年金基金って、厚生年金に加入しない限り、自己都合での脱退ができないんです。
つまり、お子さんが学生を終えられた後、会社に就職して厚生年金に加入されれば(2号被保険者)いいんですが、そうじゃなかった場合(例えばフリーランスとか個人事業主)、国民年金基金分の掛金支払いが続き、思わぬ負担になるかもしれません。
なので慎重に考えた方がいいかと。
それと、学生納付特例制度を利用しないで、追納もしない場合、60歳から任意加入して、その時の金額で国民年金保険の保険料を支払い続けるという手もございます(私はこれを考えております)。
ですが、これを見て頂ければ、それはちょっと…と思うと思います。
う~ん、私が60歳になって任意加入した時の保険料っていくらになっているんでしょうか?
みなみに、上記グラフの最初の値は1976年度で1,400円。
それが、2022年度だと16,590円!
これが株価だったら、テンガバーってことですね💦
最後までお読みいただきましたこと深く感謝申し上げます。