物事を考える場合には感覚器官だけでは難しいので、対象を扱うための方法を使用します。


 

 こうした処理の方法として旧石器時代あたりから 【 数字 】 が存在していたわけですが、この時に使用されていたのが1〜3までの数値だと言われています。0の概念が代数学として使用されるのはもっと後の時代の話になりますが、0と言う状態自体は認識できていたようです。

 

 その後、バビロニアで時間で使用している六十進数が発明されますが、こうした数値の仕様によって人の感覚器官だけでは扱いにくいものにも対応できるようになっています。


 

 

  感覚器官と数値

 

 

 基本的に生物には感覚器官がありますから、認知はできるのですが、センサーで検知したものを脳で認知することで判断を行っています。その為、明確に認知できるのは


 

  ■ 有無

  ■ 単数・複数

  ■ 単一・集合


 

のような状態の違いだけになります。その為、数がない場合


 

【 正確な状態の認知 】 


 

ができないので、この状態を示す必要があります。この時に使用されるのが 【 数 】 になります。


 

 これを用いることで 【 集合 】 の状態を示すことができるようになるので、感覚器官で得た情報を正確に示すことができるようになります。


 

 

  数と構造


 

 数を使う場合には 【 数字 】 を使用しますが数には構造があります。数を使用する場合には、最初に二値の判定を行って、その後、集合の判定を行うので、


 

  ■ 有無の状態

  ■ 集合の状態


 

という処理が発生します。この処理ですが、数直線を用意して考えると解りやすいのですが、数を示す場合には幾何ベクトルと同じ状態になるので、二点間の距離が数になります。その為、


 

  ■ 原点0

  ■ 集合で発生した座標


 

の間の距離が 【 数 】 になります。この時の表記は 【 範囲 】 になりますが、これを集合が示す座標だけで示したものを代数学では使用することになります。


 

 このように数を示す場合には、


 

  ■ 解析学

  ■ 代数学


 

で示すことができるのですが、この異なる表記をする際に


 

  ■ 範囲 : 不等号

  ■ 座標 : 等号


 

を使うことになります。この処理は、右辺と左辺の状態を比較して状態を示したものになりますが、小学校一年生の算数で登場する足し算も


 

  ■ 式

  ■ 答え


 

という異なる物が存在し、それが一致していることを示すために等号を用いて判定を行っています。


 

 この構造が算数の基本になりますが、これが 【 一致 】 と言う条件を示す時に使用するものになります。


 

 

  0の判定

 

 

 算数で登場する等式は 【 一致 】 を示しているのですが、数は 【 階調 】 を示しているので、数直線状には小数点数を含む座標が存在しています。イメージとしては、 【 −∞ 〜 ∞  】 の距離が存在していて、その中に存在している座標を示したものが数になります。代数学は 【 抽象表現 】 なので、バーチャル空間上で状態を扱うためのものになりますから、物理学では使用できないような巨大な数値を扱えるようになっているわけですが、この範囲の中に存在する


 

  ■ 座標

  ■ 範囲


 

を指定することで情報の取得ができるようになっています。数直線には極限のように


 

【 限りなく0に近い最小の値 】 

 

が存在するわけですが、この構造物が並んでいるので数直線のような 【 線分 】 が構築されています。


 

 数直線を見た場合、確実に一つの値として存在しているのは 【 階調表現が不能なもの 】 である 【 0 】 が該当するので、最初に0以外の条件で判定を行うことで集合の状態を示す値を抽出することができるようになっています。この条件では0以外の値を持ったものになりますから、この判定後に1と言う値を符号や指数で制御を行ったものがどの座標に存在するのかを考えることができるようになります。


 

 この条件では0以外で値が出ると言う判定になっていますが、視点を変えると、【 0を抽出する判定ができる 】 ということになります。この処理を行う際に 【 X=0 】 のような等式を用いることが出来ます。


 

 このように 【 一致 】 を示す際には 【 確定した値 】 を用いることになりますが、この判定を行うための方法として小学校一年生の算数では 【 等式を用いた式 】 を扱うことになっています。


 

 等式はバンドパスフィルターになるので、


 

  ■ 上限

  ■ 下限


 

を指定して範囲を決めたものになりますが、現実世界の微細な値を扱う場合には 【 極限 】 を用いることになります。これを用いることで、 【 最初の値 】 を使用することが出来ますが、高校の数学で登場する微分の分野では二点間の推移として極限を使用します。その為、物理の分野でも 【 時間単位の仕事量 】 を示すものとして、係数に微分の要素が登場するわけですが、高校の物理の公式を見てみると数学で登場する


 

  ■ 微分

  ■ 積分


 

の要素が含まれています。カリキュラムの進行を見てみると、数学で登場した公式が物理で登場していると思うのですが、これが学習指導要領で用意されている 【 関連付けをして知識をつけるカリキュラムの仕組み 】 になっています。


 

 

  符号


 中学校の数学では 【 符号 】 が存在しますが、絶対値という原点0からの距離を用意した場合、符号の有無によってプラスとマイナスの値を制御することが出来ます。


 

 この構造は、小学校の理科で登場する 【 モーター 】 のカリキュラムの


 

  ■ 電池の向き

  ■ 回転の向き


 

の関係性と全く同じになりますが、片方の向きをプラスとして回転方向を正と考えた場合、逆にした場合には負の方向に回転していることになります。


 

 電池の場合は1.5Vの電圧になっていますが、電池の向きを変更した場合には


 

  ■ +1.5V

  ■ -1.5V


 

のような変化が生じます。この状態を見ると符号の変化で状態を示してありますが、中学校の数学では、この表記を行うための基本的な考え方を学習します。


 

 中学校の物理では、電圧を使うので、【 圧力がかかるので流れが生じる 】 という流体のようなイメージで電気を扱いますが、オームの法則では、


 

  ■ 電圧 : 圧力

  ■ 電流 : 流れ

  ■ 抵抗 : 遮蔽物


 

のような役割をするものとして考えることになります。その為、遮蔽をすれば圧力を挙げなければ流れないので圧力が上昇し、少ない場合には少ない圧力で流れるようになっています。これが抵抗値による電流と電圧の変化

になりますが、高校の物理では、電圧のことを 【 電位 】 に着目して扱うことになりますから、電圧の名称が 【 電位差 】 になります。高校の物理では半導体やコンデンサーを使うので電位の始点で見る必要があるので、電位を扱うことになりますが、この時の差は 【 電位の位置エネルギーの違い 】 になります。

 


 

 

  状態と表記

 

 状態を示す場合には 【 結果 】 が必要になりますから、これを行う場合には数字を使って表記を行います。これが 【 定数項 】 での表記になりますが、結果として表示する場合にはこの形になります。


 

 これは現実世界でも同じで、 【 計測値 】 のようなものは確定したものですから、定数になりますから、こうしたものは必ず数値で示すことが出来ますが、この時の表記には


 

  ■ 整数

  ■ 小数

 

が存在するので、これを組み合わせた状態で数値を構築して使用することになります。


 

 コンピューターでは、この数値を10の累乗を使用することで制御していますが、


 

  ■ 整数 : 指数が正の値

  ■ 小数 : 指数が負の値


 

の状態で制御しています。小学校や中学校で使用する0.12345のような表記の数値を 【 固定小数点数 】 と言いますが、コンピューターでは、1.23×10-1のような形で表記します。このように10の累乗で桁の制御を行う小数点数のことを 【 浮動小数点数 】 と言います。この累乗についても中学校の数学で登場しますが、これは 【 同じ数の掛け算を指数の数だけ行ったもの 】 になります。その為、この処理についても、乗算と同様に 【 ループ処理 】 と考えることが出来ます。


 

 これが数値で状態を示す方法になりますが、計測した数値の桁数が多い場合には累乗以外にも 【 単位 】 を使うとで数値を見やすい状態にして使用することが出来ます。これと同時におおよその値でデータを揃える時に 【 概数 】 を使用しますが、こうした数値の取り扱いも小学校高学年で学習することになります。

  


 

 

  変化の表記

 

 確定した結果の表記は定数で表記できるのですが、変化を表記する際には一つの値では表記できないので少なくとも


 

  ■ 現在の状態

  ■ 変化で使用する値


 

を用意する必要があります。状態の最小構成を考える場合には二点の指定とその変化を用いることになるので、幾何ベクトルの形になりますが、一次元の場合だとこの構造には方向の概念が存在しないので長さを示したものになります。小学校一年生の算数では 【 たしざん 】 が登場しますが、この構造も先程の2つの値を組み合わせた構造のものを使って計算の方法を学習します。


 

 この時に 【 + 】 と言う記号を使って追加を行う式を構築することになります。この仕組みがベクトルの加算と同じ構造になるわけですが、数直線上の座標の変化で考えると四則演算の処理の変化を視覚的に確認することが出来ます。


 

 数式は 【 変化を示したもの 】 なので、この処理の方法と示す術を学習していくことになりますが、状態の変化を追加していくことで処理の方法に準じた結果を導き出せるようになっています。


 

 小学校低学年では四則演算を学習しますが、これが 【 処理の構造を作るための部品 】 になります。

  


 

 

  処理の最適化

 

 処理を行う場合、複雑なものを簡素に行えたほうがいいのですが、数学ではそういった処理の方法が存在しています。小学校二年生で学習する 【 かけざん 】 もそういった効率化の方法ですが、複雑な記述になる式を簡素に行う方法になります。かけざんは 【 同じ数を回数分足す処理 】 を簡素な記述で行うものになっていますが、【 1箱○ロットの物を■箱分用意する際の総数 】 を算出するのに使用できます。

 

 鉛筆のように 【 1ダース = 12本 】 と決まっているものを扱う場合、n箱分の数を用意すれば総数が出るので、12nと言う形で表記することが出来ます。

 

 このような計算を速く行うために小学校低学年では 【 九九 】 を学ぶことになります。

 

 かけざんは乗算といいますが、中学校では同じ数を数値分だけ掛け合わせるせる処理である 【 累乗 】 が登場します。この処理は小学校だと掛け算でおこなっているのですが、


 

  ■ 正方形の面積 

  ■ 立方体の体積


 

を出す際にも使用できます。面積や体積の単位を見ると指数がついていますが、これが次元の数を追加したものになっているので、


 

  ■ 面積の平方根

  ■ 体積の立方根


 

を出すと体積が同じで異なる形の図形の正方形や立方体の辺の長さを求めることが出来ます。


 

 中学校の数学では項の学習の後に一次方程式や一次関数を学習することになりますが、これが二次方程式は少し式が長くなるので処理が複雑になります。この処理は加算で行っているのでそうなっているわけですが、加算の構造を複数用意して乗算をするような仕組みに書き換えると処理を簡単に行えるようになります。


 

 この方法が 【 因数分解 】 になりますが、数学では同じ処理をする場合でも簡素な処理で同じ結果を求める方法が存在するので、基礎を学んだ後に知識の拡張としてそういった物を学習することになります。


 

 

  法則性を記述する

 

 小学校一年生の足し算では、


 

  ■ 1+1

  ■ 2+2


 

のような表記をしますが、これは定数項で値が確定した状態なのでこの表記が出来ます。ただし、法則性だけを見ると 【 加算 】 なので、 【 + 】 の記号に値が追加された構造になっています。上記の式では定数なので異なる状態になっていますが、この法則性だけを示す場合だと、


 

  ■ ○+▲


 

のような形で示すことが出来ます。この状態だと数式として成立しないので、中学校の数学ではこの構造をアルファベットの表記に置き換えることで処理の法則性を示す方法を学習します。実際に置き換えてみると


 

  ■ a+b


 

のようになりますが、この時に使用しているのが 【 変数項 】 になります。変数項を用いると数式を法則性を示す式の形できるのですが、法則性を示すと変数項の部分に値を代入するだけで処理を実行できるようになります。


 

 プログラミング言語も同様に変化するものを用意する際には変数の宣言や初期化を行いますが、考え方としては同じものになります。


 


 

 

  推移を示すもの

 

 方程式は 【 結果が確定しているもの 】 なので、 【 連立方程式 】 を用いると海を求めることが出来ます。しかし、現実世界における物体の移動などの推移については定数の値ではなく時間単位で値が変化します。その為、 【 法則性を示す式の中に存在する変数の値によって解が変化する 】 と言う特性があります。この場合、 y=x のような形になりますが、この場合、変数xの値で変数yの値が決まるのですが、現実世界の推移はこの構造を法則性を示すような状態に変形したものを用いることになります。


 

 この構造のものを 【 関数 】 と言いますが、小学校六年生で登場する


 

  ■ 正比例

  ■ 反比例


 

も関数を部分的に使用しているものになります。中学校では比例のカリキュラムで登場したものを関数として使用しますから、


 

  ■ 正比例 : 一次関数

  ■ 反比例 : 分数関数


 

の形で学習します。


 

 

  このように

 

 このように数学は感覚器官だけでは対応できないものを補間するためのツールになりますが、基本パーツの理解をして使用できるようにすることでそのパーツの挙動を拡張した物を扱うことができます。また、パーツを組み合わせて複雑な処理も行えるようになるわけですが、数学には最適化された処理を簡素な記述で示したものも存在するので、モジュール化されたものを使うことで複雑な処理を行えるようになっています。

 

 中学校の数学では、プログラミング言語を使う際に必要な考え方が幾つも登場するので数学と連動して考えると処理の仕組みをイメージしやすいのですが、工程表の構造を数式にしたものが 【 項を加算する構造 】 なので、 【 順番に処理を追加する形 】 になっています。

 

 プログラミング言語を使う場合の基本形はこれなので、この形の構造物をどのように使うのかを学んでいくことになります。というのも、クラスを使う場合もメソッドの記述はこの形になりますから、処理の最小単位は工程表になるので、必ず手順が発生します。

 

 物事を行う際の手順通りに行いますが、この手順は文字列で表記を行います。ただし、この文字列もインデックスで制御できるので変数で管理できます。

 

 プログラミング言語では変数名は文字列を使用しますが、数学では、これを簡素なアルファベットと文字列の組み合わせで管理しています。その為、工程表を項を使った式の形に置き換えることが出来ます。この時のループ処理は係数で管理できるわけですが、因数分解のように項を使用した式を係数として使用することで複雑な処理を実装できるようになっています。