デッサンをする場合、光と影の状態が必要になるので、できるだけ明るい場所で描いたほうがいいのですが、屋内で描く場合だと、日没後は屋内証明を使うことになるのでかなり暗い環境で描くことになります。

 また、自然光とは異なるので、描く部屋の照明の 【 色温度 】 で色彩の方向性が変わってきます。

 照明器具は

  ■ 建築物などで使用されているもの
  ■ 撮影で使用されているのの

で全く異なるのですが、前者は、

  ■ 目的別に照度が決まっている
  ■ 色温度は固定

なので、基本的に

  ■ 明るさ
  ■ 光の色

が決まった状態になっています。電球の場合、

  ■ 電球色 : 2700〜3000K
  ■ 温白色 : 3500K
  ■ 昼白色 : 5000K
  ■ 昼光色 : 6200〜6500K

になります。イメージとしては、

  ■ 電球色 : 橙色
  ■ 温白色 : 薄橙色
  ■ 昼白色 : 白色
  ■ 昼光色 : 水色

になりますが、パステルカラーのような色彩のその色が原色に対してハイエンサーフィルターをかけたように影響します。その為、ニュートラルな色を出したい場合だと、5000Kの電球を用意して使用することになります。

 白熱電球や蛍光灯の場合、ワット数で表示がされていますが、これが現在はLED電球も増えているので、この上記ではなくルーメンで統一されています。これが、明るさの表記になりますが、通常の電球のソケットのサイズのE26口金の製品では、200Wのものがありますが、40〜100Wまでのものだと、

【 一般電球】

  ■  40W : 485lm
  ■  60W : 810lm
  ■ 100W : 1520lm


【 ボール電球 】

  ■  40W : 400lm
  ■  60W : 700lm
  ■ 100W : 1340lm


【 小型電球 】

  ■  25W : 230lm
  ■  40W : 440lm
  ■  50W : 600lm
  ■  60W : 760lm


の物を選ぶと同じ明るさになります。ソケットのサイズですが、一般的には、

  ■  E26 : 直径26mm
  ■  E17 : 直径17mm
  ■  E11 : 直径11mm

があります。また、電球には、
 
  ■ シリカ
  ■ ハロゲン

がありますが、LED電球にも同様にシリカとハロゲンがありますから、使用している電球の種類に合わせて選択することになります。
 

 

  電球の光の広がり


 光源は360°に光が拡散しますが、電球の場合ソケットがあるので360°ではなくソケットで発行していない部分を除く範囲で光が拡散します。この状態が全方向になりますが、全ての電球がそうなっているわけではなく、光の拡散の方向を絞った製品もあります。LED電球には

  ■ 全方向タイプ : 260°
  ■ 広配光タイプ : 180°
  ■ 下方向タイプ : 140°

があります。電球を使う場合、ソケットから向こう側の構造も重要になりますから、目的にあった電球と照明の構造になっている必要があります。

 光の基準ですが 【 再現度 】 を示す指標があります。これが、 【 演色性 】 になりますが、この指標として 【 Raの数値 】 で再現度が変わってきます。これは最大が100で100に近いほど再現度の高いものになっています。製品によってグレードが違いますが、このRaの数値を見てみると結構違うので色の再現度を考えると撮影機材のようにこのRaの数値にも気を配る必要が出てきます。

 ちなみに、電球には、

  ■ レフ電球タイプ
  ■ ハロゲン電球タイプ

などもありますし、細長いTタイプもあります。また、直管が巻いているようなものもあるので色々なタイプが存在しています。

 

  撮影用の照明

 

 撮影用の機材も同様に照度や色温度がありますが、撮影用のライトはストロボのように照度のコントロールが出来るので家庭用の電球とは異なる特性があります。つまり、 【 距離を固定して照度だけ変える 】 ことができます。

 その為、100W相当のライトであっても家庭用電球の100型で照らすのとは異なる条件を作れるようになっています。また、ledの場合グリッド状に小さなフルカラーledが並んだものもありますが、こうした製品では、色温度だけでなく色そのものを変更することが出来るようになっています。このように少し変わった製品もありますが、照度のコントロールが出来るようになっています。また、屋内照明では環境を作ることを前提としていますから、 【 設計段階で照明の状態も考えて配置する 】 ことになりますから、光の拡散や照度や位置なども基本的には確定した状態で作ってあります。そのため、 【 状態が破綻しない事 】 を前提として設計されていますから、照明も同様に 【 定数化した状態の維持をすること 】 が前提となっています。

 これを基準に電球などが製造されているので、撮影用の機材のように 【 光の状態を作るためのもの 】 とは異なる仕様になっています。
 

 

  照度の高い光源


 屋内の照度などは決まっているので、その状態を作るような照明を用意することになります。首都や都市部の腫瘍の大きな駅の構内や手術室や店舗のディスプレイ用の照明などは一般家庭では使わないような明るさになっていますが、YouTubeで見かける動画で撮影用のライトを使ったものについては、手術室のような明るさの場所で撮影が行われています。その為、屋内での動画でも部屋を広範囲で明るくした状態で撮影する場合には、日常で使っている屋内照明の照度とは全く異なる状態になっています。

 というのも、光は距離の2定に反比例するように減衰するので、光源で広範囲を照らそうとすると照射角を広げっる必要がありますし、映像のフレーム内に光源が入らないように光源をあ配置する必要があります。そうなると、 【 照度が低くなる 】  ので、光源自体の照度をある程度高くしなければ撮影できなくなります。
 
 この条件で考えると、フレーム内に入る範囲を照らせるだけの照明を用意することになるので、フレーム内に収める空間の範囲が広がるほど必要となる光源の光の強さが必要になるわけです。

 当然、距離が近ければ光の減衰の法則から強い照度を得ることが出来るので、



のような明るさで撮影することが出来ます。

 そのため、マクロのような条件だと広範囲を照らすようなものとは異なるので、個人が持ち合わせている照明器具とカメラの露出の変更で対応できるのですが、広範囲に光を当てる場合だと、ソレ相応の機材を揃えることになります。

 絵を描くのに映画を取るような照明を用意するのは無理ですから、ソレに匹敵するような照度で巨大な照明を使う方法を模索する必要がありますが、 【 晴れた日の日中の南中前後1時間辺りの光 】 を使うと照明器具では出ないような明るさになっているので、個人替えを描いたり写真を撮影する場合だと

 【 日中の光 】 

を使うと描きやすいと思います。ちなみに、

  ■ 曇天の日

だと照度は半分まで落ちますし、日の出日の入り前後の1時間もそれほど明るくないので、空の状態は綺麗ですし、そこから1時間前位の光の状態は照度は弱いのですがいい光なので、日中の強い光とは異なる見え方になります。

 冬場でも南中あたりの照度は結構高いので、南の窓がある場合だと、窓から入る光を使用するとかなり強い光を得ることが出来るので、

  ■ 逆光
  ■ 斜光
  ■ 半逆光

で光の状態を作るとしっかりと影が出ます。絵の場合だと、 【 肉眼で見える照度の段階で描きましょう 】 ということになりますから、夕暮れ時の色は記憶しながら描くような感じになりますが、静物画のように光を用意して描ける場合だと、窓からの光をメインの光源として使用して、その光に対して環境内でどのような状態を作っていくのかを考えることになります。これが、 【 写真や動画の撮影時に行うこと 】 になりますが、地面以外の光の反射を作る場合には 【 レフ板 】 が必要になるので、その場合には、逆側の壁は日陰になっているはずですから、フレーム内に入らないようにレフ板を用意して影を減衰させたり色を写り込ませる事になります。
 

 

  現実世界での作業


 現実世界での作業はデジタルとは異なりますから、作業を行う空間を用意する必要があります。デジタルの場合だと、最小構成だとiPadのようなタブレットとスタイラスのサイズで済むので、それを配置して作業が出来る環境を用意すれば作業を始めることが出来ます。

 この時に、絵や斜視のように平面で構成されたものの場合だと、二分割表示で原稿と描くものを並べて作業をすることも出来ますし、机の上に配置して作業をすることも出来ますから、こうした平面を見て平面で再現するようなものだと 【 作業台 】 があれば描くことが出来ます。

 これに対して、静物画を描く時のように 【 モデルを配置して光を当てる 】 と言う条件になると、配置する空間が必要になりますし、ソレと同時にソレを見て描く空間も必要になりますから、イーゼルや画材を配置して作業をするスペースが必要になります。

 この辺りは、カメラを使った撮影も同じですが、撮影をする際にはカメラを配置する空間が必要になりますし、光の状態を作るためのライトを配置する空間も必要になります。そうなると、高さも含めた距離が必要になりますから、空間を広くしないと大きな物は撮影できません。

 そのため、静物画を描く場合だと、 【 建築物の構造 】 で出来ることが違ってくるのですが、

 【 南側から差し込む光を取り込む窓の大きさ 】
  
で面光源に相当する光の範囲が変わってきます。四角い窓だと光は四角錐台のような形で伸びてきますから、ボリュームライトを使った時に出来るような光の入る状態を作った場合にもその範囲しか照らされることはないので、窓の大きさと光のサイズで出来ることが違ってきます。この光源で広く光を得ようともうと、地面に近いほど大きな範囲を照らすことが出来るのですが、この時の光の大きさも窓のサイズで変わってきます。

 これが光の当たる範囲になりますが、窓辺だと窓に近いほど照度は高いのですが、地面に近づくほど照度は低くなるので、光の状態も違ってきます。

 その為、日中の光を使う場合だと、窓の光は建築物の構造や住居の周辺の状態で変わってくるので、その中で選択できる光の状態の範囲で対象物を照らすことになります。

 光を使う場合ですが、 【 対象物と周囲の状態 】 を作ることになりますが、その状態に対して光を当てることになります。

 自然光については、

 

 

の中で触れていますが、現実で海では自然や建築物は定数で変化しないものなので、この状態は変化しません。また、特定の座標においての太陽の状態は日時での変化しかしないので、光の差し込む向きなども時間単位で確定したものになります。そのため、周辺の変化がない場合、その場所にいる人の

 

  ■ 視点

  ■ 距離

 

のみが変数化したものになります。カメラの場合だと

 

  ■ ワーキングディスタンス

  ■ 露出

  ■ 焦点距離

 

が変数になりますが、環境部分では定数化したもののほうが多いです。この条件での変化だと天気が変数になりますが、晴天の日だと光の状態は日時で定数化しているので、環境以外の要素を追加しない限りは同じ状態になります。基本的に気象条件以外だと光の状態は変わらないので、定数化した環境の中に何を配置してどのように扱うのか?でフレーム内の状態が変わります。

 

 窓から入る光も 

 

  ■ 立地

  ■ 建築物の構造

 

で変わってくるのですがこれも定数化したものになります。光については、

 

 

の中で触れていますが、晴天と曇天では照度が変わるだけでなく、

 

  ■ 直接光

  ■ 減衰した光

 

になるので、影の出方が変わってきます。そのため、曇天の日には柔らかい影の状態になりますが、貼れた陽の光ははっきりとした影が出ます。

 

 こうした光も

 

  ■ 窓からの光をそのまま使う

  ■ 減衰させて使用する

 

ことで使い分けることが出来ますが、大きなトレーシングペーパーを使って光を減衰させるとハイライト部分も広がった状態になり、影も柔らかくなります。

 

 その為、

 

  ■ メインの光源の状態

 

をデフューザーとなるものの有無で決めて、その後、

 

  ■ 反射させる光

 

の状態を作って被写体の光と影の状態を作ることになります。ライトを使う際には、光源の強さと距離などで状態を作ることになりますが、視点を決めた上で見た時の

 

  ■ 光の向き

  ■ 被写体の向きなどの状態

 

を決めることで状態を作ることになります。順番としては、

 

  ■ 見えている状態の構築

  ■ ライティング

 

になりますが、3DCGでレンダリングをする前の作業もこの流れになります。

 

 セットを組んで絵を描く場合、肉眼で見た状態になるので焦点距離が固定されているので、奥行き感は常に一定ですが、カメラの場合だとレンズの焦点距離で奥行き感が変わるので、距離の部分に変化が生じます。これが距離の圧縮伸長効果になりますが、これも 【 光学系の物理現象 】 なので、状態を導き出す数式が存在しています。

 

 現在は、複数の焦点距離の選択が出来るスマートフォンもありますし、ズームレンズも特に珍しいものでもなくなっていますから、この辺りはごく当たり前に体験する事ができるようになっていますが、CLIP STUDIO PAINTの3D作画の場合には画角の変更(焦点距離の変化によるパースの変化の指定)ができるので、こうした変化もごく当たり前に使用できるようになっています。3DCGツールもコンポジションを行えるので、実写映像との合成で使用できるようになっていますが、その際に、撮影時の焦点距離を合わせることでフレーム内の状態の違和感をなくして、実写素材と3DCGの素材の合成が出来るようになっています。

 

 その為、3DCGツールでも焦点距離を合わせることが出来るようになっていますが、映像を作る際には焦点距離を使い分けることになるので、3DCGAを作る際にもカメラオブジェクトのレンズの焦点距離を指定することになります。

 

 絵の場合だと、パースでこのあたりの変化を入れることになりますが、漫画やアニメの場合だと、 【 映像で行っていることを得で行っている 】 ので、視点の作り方が肉眼だけだと効果が不足するので、カメラのレンズの距離感の変化も使用されています。

 

 こうした物を再現する際に絵の場合だとパースによる奥行き感のコントロールをすることになりますが、イラストの場合もアニメや漫画のようにカメラのレンズの効果を使うこともあるので、同じような肉眼とは異なるカメラのレンズによる物理現象や収差を使った表現を用いることがあります。

 

 デッサンとかクロッキーの場合にはこれは発生しませんが、環境を作る作業は実写や3DCGと同じなので、現実世界に物体を置いて状態を作る場合には、セット内の状態を作るの遠ない考え方で状態を構築することになります。それを見て描く場合にも、描く人の視点と同じ場所にカメラがあるので、基本的には同じ考え方で対象物を捉えて記録することになります。