古いマシンでのテスト動画が出てきたので、YouTubeにアップしておきました。

 

 

Pentium III時代のノートPCでのテスト動画ですが、1GHzに到達していないクロックのシングルスレッドのCPUに64MBのメモリーのIGP構成と言う信じがたい仕様の物を使っています。

 

 この動画の撮影時には、現在のようなHDMIと言う規格は存在しないので、RCA端子での撮影をしていますが、この撮影には、ビデオかけらではなく、SONY Cybershot DSC-R1を用いています。  

 

このカメラは、RCAでの映像出力を持っているのですが、撮影データも含めてRCAで出力できる仕様だったので、これをアナログ方式のテレビチューナーボードで取り込んで録画をしています。当然、写真専用のカメラですから、音声はありませんが、本来は 

 

【 テレビで写真が見れますよ! 】 

 

と言う仕様でついていた機能ですが、動画素材の撮影が可能でした。 映像出力はSD解像度になりますが、当時の製品で、 

 

【 APS-C相当のセンサーとT*レンズで動画を記録できる 】 

 

と言う状態ですから、かなり特殊なものだったのは確かです。写真と同じ背景ボケをするので、現在のDSLR製品のようなボケをこの当時も出せていたわけですが、SD解像度の時代も過去のものになっている時代ですから、低解像度出力の選択肢があっただけという感じですね。 

 

 この動画では、冒頭で、OSの選択を行っていますが、これは、ブートローダーを使ったものになります。この時代のアーキテクチャは32bitなので、MBRを使ったブートレコード(LinuxだとLiloの時代)を使って読み込むことが可能でした。その為、パーティションを分けておけば、複数のOSをインストールして、個別のパーティションにインストールしたOSを選択できる状態でしたから、WIDNWOS/REDHAT/Debianなどを個別にインストールして切り替えて使うことが可能でした。 

 

 また、新旧のOSやバージョンの異なるSOもインストール出来るので、  

 

■ WIDNOWS 2000  

■ WINDOWS XP   

 

のような構成にもできましたし、現在のようにBIOSがEFIの64bitになった条件だとブートローダーも違っている(LinuxもLiloからGRUBになっています。)のですが、基本的に、LinuxとWINDOWSの共存は可能です。この動画のPCでは、パーティションを切って違うOSをインストールしているだけなので、先にパーティションを切ってWINDOWSをインストールしておいて、後でもう一つのOSをその区画にインストールするという流れです。  

 

現在は、旧OSに関しては、WINDOWS 10(というか、7辺りからフツーにできる機能ですが)を用いると、旧OSに合わせた形で実行するオプションがあるので、WINDOWS 10の状態でダメでも、後方互換をOSで保っている状態があります。WINDOWS 10だと、Pro版を用いるとHyper-Vが使用できるので仮想化で旧OSを使う事も可能ですから後方互換が複数の方法で保たれています。  

 

ちなみに、MACの場合だと、BootCampを標準機能で実装しているので、MACの場合、速いマシンを導入すれば、  

 

■ MAC OS  

■ WINDOWS  

■ Linux 

 

が動くマシンを作れますが、これを行うと、個別にセキュリティーパッチを当てることになるので、実質的に複数台のマシンのメンテナンスを常に行う必要が出てきます。また、ブートローダーを使った物の場合個別のOSをそれぞれ立ち上げる必要があるので、少し煩雑な部分はあります。(これは仮想化で複数のVMを作った場合も同様です。)  大昔の超低スペックPCですが、OSの違いでこんな感じの差が出ます。

 

 

ートローダーと仮想化              

 

 ブートローダーの場合、PCが読み込むOS自体を切り替えるので、起動しているOSは一つだけです。その為、マシンのスペックを使ってそのOSを動かしているので、インストールしたOSが異なる環境を使っている状態になります。その異なるOSを切り替えて使用するのがブートローダーです。

 

 仮想化の場合、挙動としてはMIMDなので、PCのスペックを分割して複数のマシンを作るような物になります。その為、コア数が多いマシンだと、用意できるマシンも増えますが、メモリーやストレージの容量も大きくしておく必要があります。その為、PCの中にPC環境を構築し、そこで相互通信を行うようなことも可能(なので、PC内部でサーバクライアントシステムなどを組めます。)ですから、ブートローダーのような常にスタンドアローンで動作するマシンとして動く物とは異なります。

 

 コンテナと言う物もありますが、これは、Dockerなどがそうですが、アプリケーションだけを動かす仮想化がコンテナ方式になります。

 

 Raspberry PIを動かすときに、SHHやVNCやRDPなどを用いますが、こうしたリモートデスクトップというのは、単にOSの入ったマシンを動かすだけなのでOSをリモートで動かすという物になりますから、前述のようなMBRの動作だと、OSを切り替える場合には一旦PCを落とさないとダメですからどうにもなりませんし、仮想化を使う場合、リモートホストのリソースを消費して更に仮想化環境の構築をしないと仮想化が使えないので、無駄に処理が遅くなります。その為、基本的に仮想デスクトップ環境と仮想化を使ったサービスの提供は全く別物なんですが、前者と後者では意味が違います。

 

 また、仮想化の場合、32スレッドのマシンを使った場合だと、半分のスレッドを使っても16スレッドですから、16スレッドの単体のマシンを仮想化環境上に作る事ができますが、16スレッドを仮想化に使用することを前提とした場合、4コアx4台のようなVMを作れます。この場合、4台分のマシンで使用するメモリー領域が必要になりますから、そうした事を踏まえると、仮想化を行う場合には、大容量のメモリーと大容量のストレージがあるほうが作業がしやすく、構築できるマシンのスペックも高くできます。

 

 

■ 仮想化とアーキテクチャの変化        

 

 仮想化環境については、x64とVM対応と言う条件になっているので、近年のアーキテクチャでは対応している製品が多いのですが、今月以降のアーキテクチャはメニーコア化が進むので、仮想化を行いやすくなります。

 

 まず、AMDがZEN2世代のRyzen 3を発表しましたが、この製品の仕様が、 【 4コア/8スレッド 】 になります。その為、8スレッドというのが上位CPUのスレッド数ではなく、このクラスのスレッドになります。

 

 

 ■ AMD、99ドルの4コア/8スレッドCPU「Ryzen 3 3100」

    【 PCWatch 】

    https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1248558.html

 

 これと同様に、Intelも先日、CommetLake Sを発表しましたが、こちらもAMDの製品と同じくコア数が増えました。

 

 ■ Intel、10コア/5.3GHz動作の「Core i9-10900K」など第10世代

   Sプロセッサを展開  【 PCWatch 】

   https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1250470.html

 

その為、Ryzen 3やCore i3辺りのCPUが8スレッドになっているので、既に、8スレッドのCPUは特別な物ではなくなっています。

 

 ゲーム機のSoCがこのスレッド数ですから、当然と言えば当然ですし、次世代ゲーム機は16スレッドですから、それよりも少ないスレッド数なので当然と言えば当然ですね。

 

 また、Core i5も6コア/12スレッドになるので、Ryzen 5とCore i5辺りのグレードでも12スレッドでの作業ができます。Core i5とCore i3との差別化はできていましたが、PentiumとCore i3の差別化が今回の仕様で明確に行われたことになります。

 

 ちなみに、Core i3とCore i5だとキャッシュの容量が違うので、複雑な演算が多い処理だと、Core i5を選ぶ事になりますが、今後は、スレッド数そのものが違うので選択肢が大きく変わってきます。

 

 Pentiumの4スレッドとCeleronの2スレッドは変わりませんが、今後のCPUの流れからすると、4スレッドや8スレッドというのは少ない部類になります。

 

 この条件を見ると、Ryzen 5やCore i5のスレッド数が多いので、この辺りのグレードで仮想化を行うと地涌度の高い運用ができるようになっていますし、Ryzen 3やCore i3でも仮想化を使った場合にスレッド数をある程度使用できるので、複数のマシンを同時に起動して動かす事もできるようになります。

 

 

■ 仮想化と環境                    

 

 仮想化環境だと無償で使用できる物に

 

 ■ Virtualbox

    https://www.virtualbox.org/

 

があります。これはクロスプラットフォームなのでOSを選ばないというメリットがあります。その為、市販のPCだとWINDOWSでもMACでも動作しますから気軽に仮想化を体験できます。ただし、仮想化環境はオフラインで使うマシンに限定したほうがいいので、ECサイトを使うとか何かオンラインでアカウントを使ったサービスを使用するマシンには導入しないほうがいいような気がします。これはセキュリティーホールがあった場合に色々大変なのと、VMの台数分だけメンテナンスが必要になるのもありますが、余計なリソースを消費しないほうが仮想化環境は高速なので、最小パッケージで構築したほうが都合がいいので、ローカルで起動して無駄なものをそぎ落としたOSの構成にしたほうが速度が出ます。

 

 WINDOWS環境だと、WINDOWS 10 Proを選択すると、Hyper-Vが使えるので、クライアントでの仮想化が体験できますが、通常の無印なものだとVirtualboxを使うと仮想化を体験できます。